「制震構造」タグアーカイブ

ザ東京タワーズミッドタワーセカンドオピニオン

借地権は土地の所有権を持っていないことから、売れにくいと思っているかもしれませんが売却は可能です。借地権を売却する方法には、次の4つがあります。

・地主に売却する
・第三者に売却する
・底地権付で第三者に売却する
・等価交換で所有権にして第三者に売却する

それぞれの売却方法を見ていきましょう。

この記事を見ている人はこちらも読まれています

家を売却するコツと注意点とは?不動産売却のための必要な知識を解説
引っ越しや買い替えなどで自宅の売却を考えている方も多いでしょう。しかし不動産の売却に慣れている方は少なく、金額も大きい取引のため不安や悩みを抱えている方もい…
地主に売却する
借地権を売却したい場合、最初の売却候補として声をかけるべきなのが土地を所有している地主です。地主からすれば、借地権は土地を賃貸していることになります。そのため何もしなくても地代収入が手に入るため、収益を生んでくれる土地といえます。

しかし土地を貸してしまっているため、土地を自由に活用することはできません。自分の保有している土地にもかかわらず、借地権に関するルールを定めた借地借家法では借り手の権利が強いため追い出すことも簡単ではありません。定期的に地代収入が入るものの、自由に土地を活用したいと考えている地主であれば買取に応じてくれる場合もあります。

地主としても借地権を買い取ることで、完全に所有権にできるためメリットが大きいです。そのため単純に第三者に売却するよりも、高値で買い取ってもらえる可能性があります。借地権を売却する際は、まずは地主に買取交渉をしてみましょう。

第三者に売却する
借地権でも、一般の不動産と同様に第三者に売却することも可能です。借地権上に建物が建っている場合は、借地権と合わせて売却することになります。しかし所有権の物件に比べると、同じ条件の不動産であれば売却価格は安くなってしまうでしょう。

また借地権付き建物を売却する場合、地主の承諾を得る必要があります。借地権はあくまで土地の所有者である地主から土地を賃貸しているため、地主の承諾がなければ売却できません。地主によっては承諾を得る際に、承諾料を求められるケースもあります。承諾料には決められた基準はありませんが、借地権価格の10%程度が一般的といわれています。

借地権価格とは、土地の価格に借地権割合を乗じた価格です。土地には地域ごとに借地権割合が定められており、国税庁の路線価図で確認できます。
参照:財産評価基準書路線価図・評価倍率表
借地権の評価額の算出方法については、後ほど詳しく解説します。

借地権と同じように、地主から土地を借りている権利に地上権があります。どちらも地主から土地を借りて利用するという点では同じですが、借地権が「債権」であるのに対し地上権は「物権」です。物権とは物に対する絶対的な支配を指しますので、地上権は誰に対しても権利を主張できますし、売却の際にも地主の承諾は必要ありません。

底地権付きで第三者に売却する
借地を第三者に売却する方法として、底地権付きで同時売却する方法もあります。底地権とは借地権が設定されている場合の底地をいい、賃借権と底地権をセットで売却することで買主は所有者として利用できます。そのため売却価格も借地権のような相場よりも安い価格でなく、相場通りでの売却も可能です。

しかし底地権付きで売却するためには、地主も借地権者(土地を借りている人のこと)と一緒になって売却しなければなりません。地主が売却を考えていない場合は、底地権付きでの売却はできません。借地権の売却をする際にはまず地主へ買取交渉することが多いため、そこで地主の売却意向が確認できた際に、底地権付きでの売却を検討しましょう。

等価交換で所有権にして第三者に売却する
借地権を売却する際の方法として、等価交換を活用して所有権にした状態で売却する方法もあります。ここまで説明してきた通り借地権は権利関係が複雑なため、所有権の物件に比べると売却しにくく価格も低くなってしまいます。しかし等価交換の手法を活用することで、借地権を所有権にすることが可能です。

等価交換とは、名前の通り価値が同じ不動産を交換することをいいます。具体的には借地権の一部を地主に返還し、同じ価値の底地権を交換することで所有権にすることをいいます。

たとえば100㎡の借地権を保有しており、借地権割合が5:5だったとしましょう。
借地権を保有している人は50㎡分の借地権を地主に返還する一方で、50㎡に相当する底地権を地主から取得します。等価交換を行うことで面積は半分になりますが、所有権として所有が可能になり、売却もしやすくなるでしょう。

売却相場(借地権評価額)の計算方法

借地権を売却価格が所有権の不動産に比べると低くなってしまうのは前述の通りですが、おおむねの相場はどのように計算すればよいでしょうか。借地権の計算方法について、見ていきましょう。

借地権評価額の計算方法
借地権評価額は、下記の計算式で算出できます。

【借地権評価額】
自用地評価額×借地権割合

地主が保有している土地の価格に、借地権割合をかけたものが借地権の評価額になります。ただし借地の場合は所有権の不動産に比べると権利関係が複雑なこともあり、売買しにくいです。そのため必ずしも評価額通り売れるわけではないため、参考として確認しておきましょう。借地権評価額を計算するためには、「自用地評価額」と「借地権割合」を調べる必要があります。それぞれの調べ方を見ていきましょう。

自用地評価額
自用地とは、名前の通り自分で使用している土地のことを指します。自用地とは主に相続税を計算する際に利用される言葉で、自用地評価額の算出方法は下記の通りです。

【自用地評価額】
前面路線価×路線価

路線価とは相続税を計算する際に使われる、路線(道路)ごとに国税庁が価格を定めた価格です。相続税の計算では、土地の評価額は路線価を使って計算されます。路線価は全国34万地点で定められており、国税庁のサイトで簡単に調べられます。
参照:財産評価基準書路線価図・評価倍率表

上記のサイトから評価したい土地の前面路線価を検索し、地積(㎡)をかけたものが自用地評価額です。ただし自用地評価額は、土地の時価評価ではありません。不動産には一物4価と呼ばれるように、さまざまな価格があります。具体的には、次の4つです。
・公示価格
・基準値価格
・路線価
・固定資産税評価額

上記の中で最も時価(=実際に取引される価格)に近いものは、公示価格です。一般的に路線価は、公示価格の8割程度に設定されている場合が多いです。そのため路線価を使って算出した自用地評価額は実勢相場と表しているとはいえず、時価の8割程度の価格であることを認識しておきましょう。

借地権割合
借地権割合とは土地の価格に対して、借地としての権利が何割あるかを示す数字です。土地を所有権で保有している場合は土地の評価額がそのまま所有者の権利となりますが、借地の場合は所有者が保有する底地権と、借りている人が保有する借地権に按分ます。借地権割合は土地の価格に対する借地権の割合を示しており、場所によって違います。

借地権割合は前述の国税庁のサイトから検索することが可能です。路線価を調べるのと同じ要領で調べたい土地の路線価図を検索し、前面道路に記載されているアルファベットを確認しましょう。アルファベットはAからGまであり、それぞれ借地権割合が次のように定められています。
・A:90%
・B:80%
・C:70%
・D:60%
・E:50%
・F:40%
・G:30%

たとえば調べたい土地の前面道路の記載が、「190D」であれば路線価は190,000円/㎡、借地権割合が60%であることがわかります。

借地権の売却にかかる費用と税金は?

借地権を売却する際には、次のような費用がかかります。

1.仲介手数料
2.譲渡承諾料
3.印紙税
4.譲渡所得税

通常の不動産売却に比べると、借地権の売買は費用が多めにかかります。費用の詳細を見ていきましょう。

1.仲介手数料
借地権を売却する際は、所有権を売却する場合と同様に仲介手数料が必要になります。仲介手数料の報酬も一般の不動産とかわりなく、下記のように定められています。
① 売買金額が200万円以下の場合 売買価格×5%+消費税
② 売買金額が200万円超~400万円以下の場合 売買価格×4%+2万円+消費税
③ 売買金額が400万円超の場合 売買価格×3%+6万円+消費税

上記の仲介手数料は宅建業法で定められた、上限の金額です。そのためすべての売買で上記の金額を払わなければいけないわけではありません。仲介手数料は名前の通り不動産を仲介してくれた、不動産会社へ対する報酬です。そのため売買成約に至った経緯や、不動産会社の働き次第では値段を交渉できる場合もあるでしょう。

しかし借地の売却は一般の所有権の物件に比べると売りにくく、成約に至るまで仲介会社の労力も大きい場合もあります。このようなケースで無理に値引き交渉をしてしまうと今後の取引にも影響するため、慎重な判断が必要です。

2.譲渡承諾料
借地権の売却費用が高額になってしまう原因が、譲渡承諾料です。譲渡承諾料とは借地権を譲渡することを地主に許可してもらうための費用で、借地権の売買の際に必要になる費用です。前述の通り譲渡承諾料に決められた基準はありませんが、借地権価格の1割が相場といわれています。

譲渡承諾料は名前の通り譲渡(=売買)した際にかかる手数料のため、相続で借地権を引き継ぐ場合は必要ありません。また借地権の譲渡の場合に発生する費用のため、地上権の譲渡の場合でも発生しません。このように借地権は所有権に比べると地主に対する費用を払う場面が多くあります。

また売買のほかに、借地権者が地主に報酬を払うシーンとしては、次のようなものがあります。
・建替承諾料
・条件変更料
・転貸承諾料
・更新料

建替承諾料は借地上の建物を建て替える際にかかる承諾料で、条件変更・転貸も同様に借地権の条件変更や転貸の際にかかる費用です。更新料は借地契約を更新する際には地主に対して払う費用で、更地価格の3~5%が一般的な相場です。このように借地権では権利に関する変動がある都度、地主に対してお金を払う必要があります。

しかし更新料や承諾料などは、明確に規定されているわけではありません。地主との交渉によっては減額できる場合もあるため、地主のいう通りに払うのではなく交渉を検討してみるのもよいでしょう。

3.印紙税
不動産を売却する際の費用の1つに、印紙税があります。印紙税とは課税文書に対して課される税金で、不動産売買契約書は課税対象です。印紙税の金額は、売買金額に応じて下記のように決められています。

・10万円超50万円以下:400円(200円)
・50万円超 100万円以下:1千円(500円)
・100万円超 500万円以下:2千円(1千円)
・500万円超1千万円以下:1万円(5千円)
・1千万円超5千万円以下:2万円(1万円)
・5千万円超1億円以下:6万円(3万円)
・1億円超5億円以下 :10万円(6万円)
・5億円超10億円以下:20万円(16万円)
・10億円超50億円以下:40万円(32万円)
・50億円超:60万円(48万円)
参照:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

令和9年3月31日までの間に作成された売買契約書には軽減税率が適用され、()内の印紙税が課税されます。

4.譲渡所得税
借地権を売却した際も、所有権を売却した場合と同様に譲渡所得税がかかります。譲渡所得税とは不動産を売却して、得た利益(=所得)に対してかかる税金です。不動産の譲渡にかかる所得税は、次の計算式で算出します。

【譲渡所得税の計算式】
売却価格-(不動産の取得価格+売却にかかった費用)=譲渡所得
譲渡所得×税率=譲渡所得税

譲渡所得税は譲渡所得に税率をかけて算出しますが、税率は、所有期間が5年以内(短期譲渡)か、5年超(長期譲渡)かによって異なります。短期譲渡・長期譲渡のそれぞれの税率は次の通りです。

【短期譲渡】
所得税率:30.63%
住民税利率:9%
【長期譲渡】
所得税率:15.31%
住民税利率:5%

5年を超えるかどうかで、税率が大きく違うことがわかります。ここで注意しておきたいのは、所有期間が単純に所有している期間で判定しているわけではないことです。長期譲渡かどうかの判定基準は、次の通りです。
・不動産を売却した年の1月1日時点における所有期間が5年を超えているか
・不動産を取得した翌日から起算する

借地権の場合は、相続で先祖代々引き継いでいる場合も多いでしょう。相続で引き継いだ物件の場合は、相続を受けた日ではなく被相続人や贈与者の取得日を引き継ぎます。

借地権の売却相場を下げないための注意点

借地権の売却はどうしても価格が安くなってしまいがちですが、売り方次第では下げ幅を縮めることも可能です。借地権を売却する際に、相場を下げないための注意点は次の通りです。

・地主と良好な関係を保つ
・ローンの承諾をもらう
・更新時期を避ける

借地権ならではの注意点もあるため、売却する際にはここで紹介する注意点を確認するようにしましょう。

地主と良好な関係を保つ
借地権をできるだけ高く売るためには、地主との良好な関係が欠かせません。借地権を購入する買い側からすると、地主がどのような人でこれまでどのような関係を築いてきたかはとても重要です。借地権を買うと、買主は地主との関係を長く続けていくことになります。

そのため地主と揉めていたり、関係がよくない借地権を購入したいとは思わないでしょう。また借地権を売却する際には、地主に承諾をもらわなければなりません。さらに地主から承諾料を請求されることも多く、地主との関係が悪いと売却活動に支障が出てしまう可能性もあります。承諾料には決められた基準がないため、地主との関係が悪ければ何かしらの理由をつけて承諾料を引き上げられてしまうかもしれません。

このように借地権をスムーズに売却するためには、地主の協力が必要です。また第三者に売却する場合だけでなく、地主に買取請求をする際や等価交換を行う場合でも地主との関係がよくなければ、交渉が難航するでしょう。借地権では借主と地主がトラブルとなっているケースも珍しくなく、中には裁判で長年争っているケースもあります。売却の有無にかかわらず、借地権を保有している場合は地主との良好な関係を心掛けましょう。

ローンの承諾をもらう
借地権を高く売るためには、事前にある程度金融機関のローンの承諾をもらっておくのもよい方法です。借地権に限らず、不動産は高額のため購入する際には金融機関から借入をすることが多いです。しかし借地権の場合は所有権の物件に比べると、金融機関の担保評価が出にくく借入が難しいケースが多いです。とくに定期借地権の場合は、担保評価がまったく出ないケースも少なくありません。

借地権には、定期借地権と普通借地権があります。普通借地権とは一般的な借地権のことで、期限が到来しても更新が可能な借地契約のことです。

一方で定期借地とは更新ができない借地権のことで、次の3種類があります。
・一般定期借地権:土地の使い道は自由、契約期間は50年以上。期限到来時は更地で地主に返還。
・建物譲渡特約付借地権:契約期間は30年以上。期限到来時は地主が建物を買い取る。
・事業用定期借地権:事業用の建物を建てる場合の契約。期間は10年以上50年未満で、満了時は更地で返還。

定期借地権は普通借地権と違って、更新を前提としていません。借地権は借りている人の権利が強く、地主からすれば自分の土地なのにいつまでたっても自由に使えないという問題がありました。そこで1992年に改正された借地借家法で新たに定期借地権が制定され、一定の地主の権利が確保されました。

定期借地権は借りている立場からすればいつかは返還しなければならず、未来永劫使えるわけではありません。そのため借地権がいつまでも存在するわけではなく、いつかは消滅するため担保としての評価はできません。このような理由から金融機関からすれば定期借地権は、担保としての評価ができない場合が多いでしょう。

一口に借地権といっても内容はさまざまで、契約内容や金融機関によって評価はかわります。借地権の購入を検討している買主からすれば、購入する借地権で借入ができるかどうかはおおきな検討材料の1つです。そのため借地権をできるだけ高く売るには、ある程度金融機関の担保評価や、ローン利用の有無を確認しておくとよいでしょう。

更新時期を避ける
借地権を高く売るためには、更新期限の近い時期は避けましょう。借地権の契約を更新するには、地主に対して更新料を払う必要があります。また必ずしも更新できるわけではなく、地主に正当な事由があれば更新を拒むことも可能です。

正当な事由の解釈は難しく、一般的には借主有利で更新できる可能性が高いとはいえ、借地権を購入する買主からすれば更新できないことはおおきなリスクです。借地権が更新できなければ購入時に意図した土地利用ができない可能性があり、購入目的を達成できません。

また借入して借地権を購入する場合も、更新時期が近いと不利に働きます。金融機関は借地権に融資をする場合、借地の期間までしか融資期間がとれない場合があります。金融機関からすれば万が一借地権が更新できない場合のリスクを排除するために、契約で定められた期間までしか融資をしないという判断です。融資期間が短くなれば、返済負担が重くなってしまい借入する金額を減らすしかありません。

このように更新の時期が近い借地権は、買主からすれば経済的に不利な条件になってしまう可能性があります。借地権をできるだけ高く売却するためには、更新時期を避けるようにしましょう。

よくある質問

借地権の売却は、通常の不動産に比べると難易度が高いといえます。借地権の売却に関して、よくある質問を紹介します。

地主から売却の承諾を得られない場合どうすればいい?
借地権を売却する際には、地主の承諾が必要なことは前述しました。なぜ売却する際には地主の承諾が必要かというと、賃貸借契約はお互いの信頼関係に成り立っているためです。売買契約と違って賃貸借契約は、何十年にわたる長い期間において契約を継続することになります。

地主からすれば自分の土地を何十年にわたって貸してもよいと思える相手だからこそ、貸しています。しかし借り手が勝手に借地権を第三者に譲渡してしまうと、地主は信頼関係を破棄されたともいえるでしょう。地主に無断で借地権を譲渡することは、借地契約を破棄する行為ともいえるため、借地権の売却には地主の承諾が欠かせません。しかし、売却にあたって地主に相談しているにもかかわらず、承諾を得られない場合はどうすればよいでしょうか。

裁判所へ代諾許可の申し立てを行う
借地権の売却を承諾するかどうかは、基本的には地主の自由です。そのため地主に借地権の売却を相談しても、承諾してもらえない場合もあるかもしれません。しかしそれでは借地権はいつまでたっても売却できないことになり、借り手は不利益を被ってしまいます。

地主が借り手に対して売却の承諾をしない場合、借り手が地主の承諾にかわる裁判所の許可をしてもらう手続きが可能です。借地権の借り手が売却したいと思っており、さらにその借地権を買いたいと考えている人がいる場合は、地主の承諾がなければ双方が不利益を被ります。借り手は売却ができず、買主は借地権が有効になりません。

このようなケースで裁判所による許可を求められますが、必ずしも許可がおりるわけではありません。許可がおりる前提として、「地主が不利になるおそれ」がないことがあります。買主の資力に疑問があり地代支払いに不安がある場合や、新たな買主が暴力団の場合などは地主が不利益を被る可能性があります。逆にいえばこのような地主に不利になる事由がなければ、裁判所で許可は認められる可能性が高いです。

マンションの売却は、以下の7つのステップで進行します。
まずは、各段階を順に説明していきます。

①売却の準備(売却書類の準備)
マンション売却を決意したら、まず必要な書類を揃えることから始めましょう。
主な必要書類には、登記簿謄本、固定資産税評価証明書、管理規約などがあります。

登記簿謄本は物件の権利関係を証明する重要な書類で、法務局で取得できます。
固定資産税評価証明書は市区町村の役所で発行され、固定資産税の算出基準となる評価額が記載されています。
管理規約はマンションの運営ルールを定めたもので、管理組合から入手できます。

これらに加えて、直近の修繕計画書や管理費・修繕積立金の領収書、設備表なども用意しておくと良いでしょう。
これらの書類は、不動産会社による適切な売却価格の査定や、潜在的な買主への詳細な情報提供に使用されます。

また、ローンが残っている場合は、返済予定表や残高証明書も必要となります。
書類の準備は時間がかかる場合もあるので、売却を考え始めたら早めに着手することをおすすめします。
あらかじめ書類を準備することで、スムーズな売却プロセスへとつながるでしょう。

②マンションの売却査定依頼
マンション売却の次のステップは、複数の不動産会社にマンション査定を依頼することです。

不動産売却の際は一社だけでなく、最低でも3社以上の不動産会社に依頼することをお勧めします。
これは単に査定額を比較するためだけでなく、各社のアプローチや専門知識、サービス内容を比較する良い機会にもなります。

査定依頼の際は、準備した書類を提示し、物件の特徴や修繕履歴などの情報も詳しく伝えましょう。
不動産会社は、これらの情報と共に周辺の取引事例や市場動向を考慮して査定を行います。
各社の査定額を比較することで、より適正な売却価格の目安を得ることができます。

ただし、最も高い査定額を提示した会社が必ずしも最適とは限りません。
査定額の根拠説明や、担当者の対応、売却戦略の提案なども重要な判断材料となります。

査定時には単に価格だけでなく、想定される売却期間や、物件の強みや弱み、効果的な販売方法についても聞いてみると、売却計画に役立てることができます。

③不動産会社と媒介契約を締結する
査定結果を比較検討し、信頼できる不動産会社を選んだら、次は媒介契約の締結に進みます。
媒介契約には主に一般媒介契約と専任媒介契約の2種類があり、それぞれに特徴があります。

一般媒介契約は複数の不動産会社と契約できるため、より広範囲に物件を宣伝できる可能性がありますが、各社の取り組み姿勢が消極的になる傾向があります。

一方、専任媒介契約は一社のみと契約を結ぶため、その会社が責任を持って積極的に取り組んでくれますが、選択肢が限定されるというデメリットがあります。

どちらを選ぶかは、物件の特性や売主の希望、市場の状況などを考慮して決定しましょう。
契約を結ぶ際は、契約期間、仲介手数料、解約条件、広告の方法と頻度、内見の対応方法などの具体的な内容をしっかりと確認することが重要です。

また、価格の設定や値下げの判断基準、売却活動の報告頻度についても事前に話し合っておくと良いでしょう。
不明点や疑問点があれば、遠慮なく質問し、納得した上で契約を交わすことが大切です。

信頼関係に基づいた良好なパートナーシップを築くことで、スムーズな売却活動につながります。
契約締結後も、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて戦略の見直しを行うなど、不動産会社と密に連携を取りながら売却を進めていくことが成功への近道となります。

④売却活動(売却物件に住んでいる場合は内見対応)
媒介契約締結後、いよいよ本格的な売却活動が始まります。
不動産会社は、様々な媒体を利用して物件の広告を出し、積極的に買主を探します。

主な広告方法には、不動産ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、新聞や雑誌への広告掲載などがあります。
また、不動産会社の顧客ネットワークを活用して、直接的な営業活動も行われます。

この段階で売主に求められるのは、内見希望者への対応です。
特に売却物件に現在住んでいる場合は、内見の際の印象が購入決定に大きな影響を与えるため、丁寧な対応が極めて重要です。

内見の日程調整は基本的に不動産会社が行いますが、実際の案内は売主が行うこともあります。
内見の際は、部屋を清潔に保ち、整理整頓を心がけましょう。
また、家具の配置を工夫して広々と見せたり、適度な照明で明るい雰囲気を作ったりするのも効果的です。

質問には誠実に答え、物件の魅力をさりげなくアピールすることも大切です。
周辺環境の良さや、住んでみて感じた住み心地の良さなどを伝えるのもよいでしょう。

⑤売買契約の締結
売却活動の結果、最終的に買主が決まったら、いよいよ売買契約の締結段階に入ります。
この過程は取引の中でも最も重要な部分の一つであり、細心の注意を払う必要があります。

まず、不動産会社を通じて買主と条件交渉を行います。
ここでは売却価格はもちろん、決済日、引き渡し日、付帯設備の有無、住宅ローンの抹消など、様々な条件について詳細に話し合います。

条件が合意に達したら、不動産会社が売買契約書を作成します。
契約書の内容は非常に重要ですので、不動産会社からの説明をよく聞き、不明点があれば遠慮なく質問しましょう。
特に、売却価格、物件の表示、決済日、引き渡し条件、瑕疵担保責任、手付金の取り扱い、契約解除の条件などは重要な項目です。

また、固定資産税や管理費の精算方法、引き渡し時の物件の状態なども確認が必要です。
内容を十分に理解し、納得した上で契約書にサインをします。

契約時には通常、買主から手付金が支払われます。
この手付金は、契約不履行の際の損害賠償の担保となるものです。

売買契約の締結は、長い売却プロセスの中で大きな山場の一つです。
不動産会社のサポートを受けながら、慎重かつ確実に進めることが、円滑な取引の完了につながります。

⑥決済・引き渡し
売買契約締結後、いよいよマンション売却の最終段階である決済と引き渡しの日を迎えます。
この日は通常、不動産会社の事務所や司法書士事務所、または銀行で行われます。

決済日には、買主からの残金の支払いと、売主からの物件の引き渡しが同時に行われます。
まず、買主が金融機関を通じて売却代金の残額を売主に支払います。
この際、住宅ローンを利用している買主の場合は、金融機関から直接送金されることが一般的です。

売主は、この代金を受け取ると同時に、物件の鍵や権利証、設備の取扱説明書などを買主に引き渡します。
また、マンションの管理組合への名義変更手続きも、この時点で行われることが多いです。

売主側に住宅ローンの残債がある場合は、この決済の場で一括返済を行います。
具体的には、売却代金から残債額を差し引いて金融機関に支払い、抵当権の抹消手続きを行います。
これにより、買主に清浄な所有権を渡すことができます。

また、固定資産税や管理費の精算も、この場で行われます。
通常、売主が前払いしている分を日割り計算で買主から受け取ります。

決済が完了したら、不動産会社や司法書士から取引内容の最終確認が行われ、すべての手続きが滞りなく完了したことを確認し、買主に物件を引き渡します。

⑤確定申告を行う
マンションの売却が完了し、すべての手続きが終わったと思っても、まだ重要な作業が残っています。
それが確定申告です。

マンション売却による譲渡所得は、原則として確定申告の対象となります。
この申告は、売却した年の翌年の2月16日から3月15日までの期間に行う必要があります。

譲渡所得は、売却価格から取得費、譲渡費用、特別控除額を差し引いて課税対象となる所得金額を算出します。
取得費には、マンションの購入価格だけでなく、購入時の諸経費や、所有期間中に行った改修工事の費用なども含まれる可能性があります。
譲渡費用には、不動産会社への仲介手数料や、売却に伴う各種書類の取得費用などが該当します。

しかし、これらの計算は複雑で、専門的な知識が必要です。
誤った申告を行うと、追徴課税や加算税が課される可能性もありますので、確定申告の際は税理士に相談することをおすすめします。
税理士は最新の税制に精通しており、あなたの状況に最適な申告方法を提案してくれるでしょう。

確定申告は、マンション売却プロセスの最後のステップです。
適切に申告を行うことで、法令順守の義務を果たすとともに、可能な限り税負担を軽減することができます。

マンション売却にかかる費用とは?

マンション売却には様々な費用がかかります。
主な費用を説明します。

仲介手数料
マンション売却の際、不動産会社へ支払う報酬である仲介手数料は、売主にとって重要な費用項目の一つです。
この手数料は宅地建物取引業法で上限が定められており、売却価格の3%程度とかかると覚えておけば問題ないでしょう。

例えば、売却価格が5,000万円の物件では150万円程度になります。
仲介手数料の金額は物件価格によって変動するため、高額物件になるほど総額は大きくなりますが、競争の激しい市場環境を反映して、不動産会社によってはこの上限額よりも低い料率を設定していることもあります。

なお、仲介手数料は売主と買主でそれぞれ支払うのが一般的ですが、契約内容によっては売主が全額負担するケースもあります。
仲介手数料の詳細は、不動産会社との契約時に必ず確認し、明確にしておくことが重要です。

適切な仲介手数料を支払うことで、不動産会社の専門的なサービスを受けられ、円滑な取引につながります。
仲介手数料の金額や支払い方法について不明な点がある場合は、遠慮なく不動産会社に質問するようにしましょう。

印紙税
印紙税は、不動産売買契約書を含む重要な契約書類に貼付が必要な収入印紙の費用です。

印紙税は、契約書の正本に収入印紙を貼付することで納付したとみなされ、
一般的には売主と買主がそれぞれ契約書を1部ずつ保管するため、双方が印紙税を負担することになります。
この税金は、文書に記載された金額(マンションの売却価格)に応じて段階的に変動します。

例えば、5,000万円のマンションを売却する場合、印紙税は2万円となります。
(なお、令和9年3月31日までに作成される契約書は軽減措置が適用されますので、本ケースでは1万円となります。)

印紙税の納付を怠ると、その額の3倍に相当する過怠税が課される可能性があるため、適切に処理することが重要です。
ただし、登記済権利証書や各種の税法上の申告書など、一部の公的書類には印紙税が課されないケースもあります。

印紙税は比較的少額ではありますが、適切に納付することで合法的かつ円滑な取引が可能となります。
基本的には不動産会社や司法書士などの専門家が算出してくれますが、ご自身でも確認されるとよいでしょう。

抵当抹消・登記費用
マンション売却時に住宅ローンの残債がある場合、抵当権抹消の手続きが必要となり、それに伴う登記費用が発生します。

抵当権とは、借入金の返済を担保するために不動産に設定される権利で、通常、住宅ローンを組む際に設定されます。
売却に際してこの抵当権を抹消しなければ、買主に完全な所有権を渡すことができません。

抵当権抹消の手続きは一般的に司法書士が行い、その費用は登録免許税と司法書士への報酬から構成されます。
登録免許税は抵当権抹消登記に課される国税で、1件につき1,000円となっています。
一方、司法書士への報酬は、通常2〜5万円程度ですが、物件の状況や司法書士によって変動する可能性があります。

また、抵当権が複数設定されている場合は、それぞれに対して費用がかかることになります。
なお、住宅ローンの残債は売却代金から一括返済するのが一般的ですが、金融機関によっては抵当権抹消に関する事務手数料を別途請求されることもあります。
この費用は金融機関によって異なりますが、数千円から数万円程度が多いようです。

抵当権抹消の手続きは、通常、決済日に行われますが、事前に金融機関や司法書士と綿密に連携を取り、必要書類の準備や手続きの流れを確認しておくことが重要です。

譲渡所得税
譲渡所得税は、マンション売却による利益(売却益)に対してかかる税金で、売主にとって最も大きな費用項目の一つとなる可能性があります。
この税金は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた差額に対して課税されます。

税率は、物件の保有期間と売主の居住状況によって大きく異なります。
具体的には、売却時点で保有期間が5年を超えているか否か、そしてその物件に売主が実際に住んでいたかどうかで区分されます。

長期保有(5年超)の場合、原則として所得税15%、住民税5%の計20%の税率が適用されます。
一方、短期保有(5年以下)の場合は、所得税30%、住民税9%の計39%と、かなり高い税率となります。
(平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1パーセントを所得税と併せて申告・納付することになります。)

譲渡所得税の計算は非常に複雑で、適用可能な特例も多岐にわたるため、税理士などの専門家に相談することが強く推奨されます。

正確な税額の把握と適切な特例の適用は、合法的に税負担を軽減し、売却後の資金計画を立てることが可能となります。
なお、譲渡所得税は原則として確定申告が必要となるため、売却した翌年の確定申告期間に忘れずに申告を行うことが重要です。

各種証明書発行費用
マンション売却の過程では、様々な公的書類や証明書が必要となり、これらの取得にかかる費用が発生します。
主な書類としては、登記簿謄本、固定資産税評価証明書、住民票、印鑑証明書などが挙げられます。

登記事項証明書は法務局で取得でき、物件の権利関係や詳細情報を確認するために不可欠です。
通常、1通あたり600円程度かかります。

固定資産税評価証明書は市区町村の役所で発行され、固定資産税の評価額を示す重要な書類です。
発行手数料は自治体によって異なりますが、概ね300円から500円程度です。
住民票と印鑑証明書も市区町村で取得でき、それぞれ300円程度の手数料がかかります。

マンションの場合、管理組合から管理規約や修繕積立金の残高証明書なども取り寄せる必要があり、これらにも若干の費用が発生する可能性があります。
また、住宅ローンが残っている場合は、金融機関から残高証明書を取得する必要があり、発行手数料として1,000円から2,000円程度かかることがあります。

これらの書類は、売却のプロセスで複数回必要となることがあるため、その都度取得する必要があります。
書類の有効期限にも注意が必要で、例えば印鑑証明書は通常3ヶ月以内のものが求められます。

各種証明書の取得費用は個々の金額としては大きくありませんが、全体としてはある程度の金額になる可能性があります。
また、これらの書類を取得するための時間と手間も考慮に入れる必要があります。

ローン一括返済の手数料
マンション売却時に住宅ローンの残債がある場合、そのローンの一括返済に伴い手数料が発生することがあります。
この手数料は金融機関によって「繰上返済手数料」「全額繰上返済手数料」「完済手数料」などと呼ばれ、その金額や条件は各金融機関によって異なります。

一般的に、数千円から数万円程度の範囲で設定されていることが多いですが、中には10万円以上の高額な手数料を設定している金融機関もあります。
手数料の金額は、残債額や返済期間、契約時期などによって変動することがあり、また、借入から一定期間経過後は手数料が不要となるケースもあります。

近年では、顧客サービスの一環として、この手数料を無料としている金融機関も増えてきています。
ただし、手数料が無料であっても、事務手続きのための時間は必要となるため、売却の数週間前には金融機関に一括返済の申し出を行う必要があります。

また、住宅ローンの種類によっては、固定金利特約期間中の一括返済に対して追加の手数料や違約金が発生する可能性もあるため、注意が必要です。

さらに、団体信用生命保険に加入している場合、解約返戻金が発生することもあります。
ローン一括返済の手続きは、通常、売却の決済日に行われますが、事前に金融機関と綿密に連絡を取り、必要書類や手続きの流れ、発生する費用などを確認しておくことが重要です。

引越し代
マンション売却に伴う費用の中で、しばしば見落とされがちなのが引越し代です。
この費用は、売却そのものには直接関係しませんが、売主にとっては避けられない重要な出費となります。

引越し代の金額は、移動距離、荷物の量、引越しの時期、サービスの内容などによって大きく変動します。
一般的な2LDKから3LDKのマンションの場合、同じ市内での引越しであれば10万円から20万円程度、遠距離の場合は30万円以上かかることもあります。
また、梱包や荷解きのサービス、大型家具の移動、不用品の処分なども依頼すると、さらに費用が上乗せされます。

引越し業者選びの際は、複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と価格を比較検討することが賢明です。
なお、繁忙期(3月から4月)は料金が割高になる傾向があるため、可能であれば閑散期の引越しを検討するのも一つの方法です。
また、自身で梱包作業を行ったり、不要な荷物を事前に処分したりすることで、ある程度のコスト削減が可能です。

引越し代以外にも、新居での家具や家電の購入、カーテンや照明器具の取り付けなど、住環境を整えるための費用も考慮に入れる必要があります。
さらに、引越し後の住所変更手続きにかかる費用(郵便局での転送サービス料金など)も忘れずに計上しましょう。

これらの費用を事前に把握し、売却益の中から適切に予算を確保しておくことで、新生活へのスムーズな移行が可能となります。
マンション売却を検討する際は、物件の売却そのものにかかる費用だけでなく、このような付随する費用も含めて総合的に計画を立てることが、財務管理の観点から非常に重要といえます。

マンション売却時の注意点とは?

スムーズな売却のために、以下の点に注意しましょう。

複数社に査定依頼をする
マンション売却を成功させるための重要なステップの一つが、複数の不動産会社に査定を依頼することです。
この過程は単に最高額を探すためだけではなく、市場価値を正確に把握し、各社のサービスや専門性を比較するための貴重な機会となります。

一般的に、最低でも3社以上の不動産会社に査定を依頼することが推奨されます。
各社の査定額を比較することで、物件の適正価格の範囲を把握でき、過度に高額な査定や不当に安い査定を見分けることができます。

しかしながら、ここで注意すべき重要なポイントは、最も高い金額を提示した不動産会社が必ずしも最良の選択肢とは限らないということです。
時として、一部の不動産会社は契約を獲得するために意図的に高額な査定を提示することがあります。
こうした「つり上げ査定」は、結果的に売却までの時間を長引かせ、最終的な売却価格を下げてしまう可能性があります。

そのため、査定額以外の要素も慎重に検討することが極めて重要です。
例えば、査定額の根拠説明が明確で説得力があるか、当該エリアでの売却実績はどうか、提案される販売戦略は効果的か、担当者の対応や熱意はどうか、などの点を総合的に判断する必要があります。
また、売却にかかる期間の見込みや、想定される買主層、広告宣伝の方法、内見対応のサポート体制なども重要な判断材料となります。

さらに、不動産会社の規模や知名度だけでなく、地域に密着した中小企業が持つ強みにも注目すべきです。
地元に精通した不動産会社は、その地域特有の需要や価値を熟知している可能性が高く、効果的な販売戦略を立てられる場合があります。

査定依頼の際は、各社の担当者との面談時間を十分に確保し、疑問点や不明点を積極的に質問することが大切です。
また、可能であれば知人や家族にも同席してもらい、異なる視点からの意見を聞くのも良いでしょう。

会社の規模よりも担当者の対応が重要
マンション売却において、多くの人は知名度の高い大手不動産会社を選びがちですが、実際には会社の規模よりも担当者の質が成功の鍵を握ります。

大手不動産会社だからといって必ずしも最良のサービスが保証されるわけではありません。
むしろ、個々の担当者の熱意、専門知識、そしてコミュニケーション能力が、スムーズな売却プロセスと満足のいく結果をもたらす重要な要因となります。

優秀な担当者は、単に物件を売るだけでなく、売主の状況や希望を深く理解し、それに合わせたきめ細かなサービスを提供します。
例えば、売却の緊急性、希望価格、売却後の計画など、売主それぞれの固有の事情に配慮した戦略を立てることができます。
また、市場動向や法規制の変更、税制に関する最新情報なども適切にアドバイスできる専門知識を持っていることが重要です。

さらに、良好なコミュニケーション能力は、売却プロセス全体を通じて極めて重要です。
迅速で明確な返答、定期的な経過報告、複雑な情報のわかりやすい説明など、これらすべてが売主の不安を軽減し、信頼関係を築く上で欠かせません。
特に、マンション売却は多くの人にとって人生で数少ない大きな取引であり、不安や疑問が生じるのは当然です。
そのような時、親身になって相談に乗り、適切なアドバイスを提供できる担当者の存在は非常に心強いものとなります。

一方で、大手不動産会社では担当者の異動や交代が頻繁に行われることがあり、一貫したサービスを受けられない可能性もあります。
対して、中小の不動産会社では同じ担当者が最初から最後まで対応してくれる可能性が高く、より密接な関係を築きやすいというメリットがあります。

担当者を選ぶ際は、初回の査定時の対応だけでなく、その後のフォローアップの質や頻度、質問への回答の速さと正確さ、提案内容の具体性などを総合的に判断することが大切です。
また、可能であれば、その担当者の過去の実績や顧客からの評判も確認するとよいでしょう。

自分に合った媒介契約を選ぶ
マンション売却において、適切な媒介契約の選択は非常に重要です。
主に一般媒介契約と専任媒介契約の2種類があり、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。

一般媒介契約は、複数の不動産会社と同時に契約できる形態です。
この契約のメリットは、多くの不動産会社が同時に販売活動を行うため、より広範囲に物件情報を拡散できる点です。
また、各社の得意分野や顧客層が異なる場合、多様な買主候補にアプローチできる可能性が高まります。
さらに、複数社の対応を比較できるため、より良いサービスを受けられる可能性もあります。
一方で、デメリットとしては、各社の取り組み姿勢が消極的になりがちな点が挙げられます。
また、売主自身が各社とのやり取りを管理する必要があり、手間がかかる可能性があります。

専任媒介契約は、一社のみと排他的に契約を結ぶ形態です。
このメリットは、契約した不動産会社が責任を持って積極的に販売活動を行ってくれる点です。
担当者との信頼関係も築きやすく、きめ細かなサービスを受けられる可能性が高くなります。
デメリットとしては、一社に依存するため、その会社の力量や方針によって売却の成否が大きく左右される点が挙げられます。
他の優秀な不動産会社のサービスを利用する機会を逃す可能性もあります。

契約を選ぶ際は、自分の売却に対する考え方や緊急性、物件の特性などを考慮することが重要です。
例えば、急ぎの売却でない場合や、特殊な物件で幅広くアプローチしたい場合は一般媒介契約が適しているかもしれません。
一方、忙しくて自分で多くの不動産会社と連絡を取り合う時間がない場合や、特定の不動産会社に強い信頼を寄せている場合は、専任媒介契約が望ましいでしょう。

また、契約期間にも注意が必要です。一般的に3ヶ月程度が多いですが、長すぎる契約は避けたほうが良いでしょう。
状況に応じて契約の更新や変更ができるよう、柔軟性を持たせることも大切です。

さらに、契約締結前に、不動産会社の具体的な販売計画や、想定される買主層、広告方法などについても詳しく聞いておくことをお勧めします。
これらの情報を総合的に判断し、自分に最も適した媒介契約を選択することで、より満足度の高いマンション売却が実現できるでしょう。

リフォームはできればしない方がいい
マンション売却を考える際、多くの人が売却価格を上げるためにリフォームを検討しますが、実際にはこれが必ずしも良い選択とは限りません。
特に大規模なリフォームは、売却前には避けた方が賢明であり、その理由は複数あります。

まず、リフォームにかかる費用と売却価格の上昇分を比較すると、多くの場合、費用対効果が低いことが分かります。
高額なリフォーム費用を投じても、それに見合う分だけ売却価格が上がるとは限らず、むしろ損失を被る可能性が高いです。
不動産市場では、築年数や立地といった要素が価格に大きく影響するため、内装の状態だけで大幅な価格上昇を期待するのは現実的ではありません。

次に、買主の好みと合わない可能性が高いという点も重要です。
個人の嗜好は千差万別であり、売主が良いと思って行ったリフォームが、逆に買主にとっては使いづらかったり、好みに合わなかったりする可能性があります。
例えば、モダンなデザインに統一したつもりが、買主は逆に伝統的な和風の内装を希望していたというケースもあり得ます。
このような場合、買主は再度リフォームを行う必要があり、それが購入の障害になる可能性があります。

また、リフォーム直後の物件は、買主にとって自由度が低く感じられることがあります。
多くの買主は、自分好みにアレンジできる余地のある物件を好む傾向があります。
真新しい内装は、それを変更することに対して心理的な抵抗を感じさせる可能性があるのです。

さらに、リフォームにかかる時間も考慮する必要があります。
大規模なリフォームには相応の時間がかかり、その間、物件を市場に出すことができません。
不動産市場の状況が刻々と変化する中で、このタイミングの遅れが不利に働く可能性もあります。

ただし、全くの手入れをしない方がよいわけではなく、後述するハウスクリーニングが有効な手立てとなります。

瑕疵については正確に伝える
マンション売却において、物件の瑕疵(かし)、つまり欠陥や問題点を正確に伝えることは、法的にも倫理的にも非常に重要です。
これは単なる誠実さの問題だけでなく、円滑な取引と将来的なトラブル防止のために不可欠な要素です。

瑕疵には、物理的なものから法的なものまで様々な種類があります。
例えば、雨漏りや設備の不具合といった物理的な問題、あるいは境界線の争いや土地の権利関係といった法的な問題などが挙げられます。
これらの問題を隠蔽することは、短期的には有利に働くように見えるかもしれませんが、長期的には深刻な結果を招く可能性があります。

まず、法的な観点から見ると、重要事項の故意の不告知は、契約の取り消しや損害賠償の対象となる可能性があります。
2020年4月に施行された改正民法では、「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に変更され、売主の責任がより明確になりました。
これにより、買主が知らなかった瑕疵が後から発覚した場合、売主は修補や代金減額、損害賠償などの責任を負う可能性が高くなっています。

また、倫理的な観点からも、瑕疵を隠すことは問題です。
不動産取引は、多くの人にとって人生で最も高額な取引の一つです。
買主の信頼を裏切ることは、深刻な精神的ストレスや金銭的損失を引き起こす可能性があります。

逆に、瑕疵を正直に伝えたことで、むしろ売却がスムーズに進んだケースも多々あります。
なぜなら、先に問題点を開示することで、買主との信頼関係が構築され、交渉がより建設的になる可能性が高まるからです。
また、瑕疵を知った上で購入を決める買主は、その問題に対して理解があり、将来的なトラブルの可能性も低くなります。

この記事を見ている人はこちらも読まれています

事故物件の売却は「仲介」と「買取」どちらがいい?それぞれのメリット・デメリットを解説!
保有している不動産が事故物件だった場合、物件の売却を考える方も多いでしょう。しかし事故物件をどのようにして売却すればよいか、わからない方もいるのではないでし…
マンションを高値で売却する5つのポイント

ここからは、マンションをより高値で売却するためのポイントを紹介します。

片付け・ハウスクリーニングを行う
マンション売却において、物件の第一印象は極めて重要です。
買主は、物件を訪れた瞬間から、その空間で自分が暮らすイメージを描き始めます。
そのため、清潔で整理された空間を提供することは、売却成功への大きな一歩となります。

まず、徹底的な片付けから始めましょう。
長年の生活で蓄積された不要な物を整理し、空間をすっきりとさせることが重要です。

これは単に見た目を良くするだけでなく、部屋の広さを最大限に引き出す効果もあります。
特に、クローゼットや収納スペースは、買主が重視するポイントの一つであり、これらの場所を整理整頓することで、収納力の高さをアピールできます。

日常的な掃除では取り切れない汚れや、見落としがちな場所の清掃は、プロのハウスクリーニングサービスを利用するのが効果的です。
プロの手によるクリーニングは、単に清潔にするだけでなく、物件全体に新鮮さと輝きを与えます。

特に注目すべき箇所は、キッチン、バスルーム、トイレなどの水回りです。
これらの場所は、衛生面で買主が最も気にする部分であり、徹底的なクリーニングが必要です。
油汚れやカビ、水垢などを完全に除去することで、設備の状態の良さをアピールできます。

また、室内の香りにも気を配りましょう。
長年の生活で染み付いた匂いは、住んでいる本人には気づきにくいものです。
消臭や空気清浄を行い、さわやかな香りを演出することで、清潔感をさらに高めることができます。

ハウスクリーニングを行った後は、その状態を維持することも大切です。
内見の予定が入ったら、直前に軽い掃除を行い、常に最高の状態で買主を迎え入れる準備をしておきましょう。

売却しやすい時期に合わせて売却活動を行う
マンション売却において、タイミングは非常に重要な要素です。
売却しやすい時期に合わせて活動を行うことで、より有利な条件で取引を成立させる可能性が高まります。
一般的に、春と秋は引越しのピークシーズンとして知られており、この時期に合わせて物件を市場に出すことで、より多くの潜在的な買主の目に触れる機会が増えます。

なかでも春は特に需要が高まる時期です。
新学期や新年度が始まるタイミングに合わせて引越しを考える人が多いため、3月から4月にかけては不動産市場が活性化します。
また、気候が穏やかになり、物件見学がしやすくなることも、この時期の需要増加の要因の一つです。

秋も同様に、気候が過ごしやすくなり、年末年始の引越しを見据えて物件を探し始める人が増える時期です。
9月から11月にかけては、夏の暑さが和らぎ、冬の寒さが本格化する前の快適な時期であり、物件見学や引越しの準備に適しています。

ただし、これらのピークシーズンには競合物件も増加するため、適切な価格設定や効果的なマーケティング戦略が必要になります。
また、地域や物件のタイプによっても、最適な売り出し時期は異なる可能性があります。
例えば、海辺のリゾートマンションであれば、夏のシーズン前に売り出すことで、バカンス需要を取り込める可能性があります。

さらに、経済状況や不動産市場の動向、金利の変動なども考慮に入れる必要があります。
例えば、低金利政策が継続している時期は、住宅ローンを組みやすいため、買主の購買意欲が高まる傾向があります。

値引き交渉前提で価格の設定をする
交渉を前提とした価格設定は、買主との交渉の余地を残しつつ、最終的に望ましい売却価格を実現するための有効な手法です。

この戦略の背景には、多くの買主が値引き交渉しているという心理があります。
適度に高めの価格設定は、買主に交渉の機会を与え、自分で価格を下げることができたという満足感を与えることができます。
これにより、買主の購買意欲を高め、取引をスムーズに進める効果が期待できます。

また、値引き交渉の余地を残すことは、買主との柔軟な交渉を可能にします。
例えば、買主が希望する軽微なリフォームや設備の追加を、値引きの代わりに提案することができます。
これにより、金銭的な値引きだけでなく、付加価値を提供することで合意に至る可能性が高まります。

ただし、価格の上乗せ幅には注意が必要で、市場価格から大きくかけ離れた価格設定は、潜在的な買主を遠ざけてしまう可能性があります。
一般的には、市場価格の5%程度の上乗せが適切とされていますが、具体的な金額は物件の特性や市場動向によって異なります。

この戦略を効果的に活用するためには、市場動向を十分に理解し、適切な価格設定を行うことが重要です。
不動産のプロフェッショナルのアドバイスを受けながら、最適な価格戦略を立てましょう。

客付力の強い不動産会社へ依頼する
マンション売却において、客付力の強い不動産会社に依頼することは、成功への重要な鍵となります。
客付力とは、適切な買主を見つけ出し、成約に結びつける能力のことを指します。

強力な客付力を持つ不動産会社は、単に多くの顧客リストを持っているだけでなく、それぞれの顧客のニーズや希望を深く理解しているため、
そのマンションに最も適した買主を効率的に見つけ出すことが可能となります。

また、このような会社は多様な販売チャネルを持っており、不動産ポータルサイトへの掲載だけでなく、自社のウェブサイト、SNS、チラシ、新聞広告など、様々な方法で物件情報を拡散する能力を持っています。

さらに、他の不動産会社とのネットワークも充実していることが多く、自社で直接買主が見つからない場合でも、協力会社を通じて広範囲に物件情報を共有できることを意味します。
特に、高額物件や特殊な物件の場合、このネットワークが非常に重要になります。

加えて、客付力の強い不動産会社は、潜在的買主とのコミュニケーション能力も高いことが特徴です。
内見の調整や質問への迅速な対応、交渉のサポートなど、売却プロセス全体を通じて専門的かつ効果的なサポートを提供してくれます。

このように客付力の強い不動産会社は、単に買主を見つける優位性が高いだけでなく、スムーズな取引の完了まで導いてくれる可能性が高まります。

確定申告時に「3000万円控除」を利用する
マンション売却時の重要な財務戦略として、確定申告時に「3000万円特別控除」の利用が挙げられます。
この制度は、居住用財産の売却益に対する課税額を大幅に軽減できる税制優遇措置です。

この優遇措置を活用するには、売却物件が売主の居住用財産であることや、所有期間が一定期間以上であること、売主が確定申告を行うことなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
これらの条件を満たせば、譲渡所得から最大3000万円を控除でき、納税額を抑えることが可能となります。
さらに、「買換え特例」などの他の税制優遇措置と併用することで、税負担をさらに軽減できる可能性もあります。

ただし、税制は複雑で頻繁に改正されるため、最新の情報に基づいた判断が必要です。
そのため、確定申告の際には税理士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

また、この控除を最大限に活用するためには、売却関連の経費の領収書や物件の取得時の契約書、居住期間を証明する書類など、必要書類を適切に保管しておくことが重要です。
適切な準備と専門家のアドバイスを受けることで、この特別控除を効果的に利用し、マンション売却における税負担を最小限に抑えることができるでしょう。

よくある質問

最後に、マンション売却に関してよくある質問に答えます。

Q.不動産会社はどのように選べばいいのでしょうか?
不動産会社選びは売却成功の鍵です。
以下のポイントを参考に、信頼できる会社を選びましょう。

失敗しない不動産会社の選び方をご紹介
マンション売却を成功させるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
以下の5つのポイントを押さえて、自分に合った不動産会社を選びましょう。
これらのポイントを考慮しながら、じっくりと比較検討することで、自分に最適な不動産会社を見つけることができるでしょう。

売却実績が多い
豊富な実績は、経験と信頼の証です。
特に売却するマンションと似た物件の売却実績がある会社を選ぶと良いでしょう。

不動産会社の売却実績は、その会社の市場での経験値と成功率を示す重要な指標となります。
多くの物件を扱ってきた会社は、様々な状況や課題に直面し、それらを解決してきた経験があるため、予期せぬ問題が発生した際にも適切に対応できる可能性が高くなります。

さらに、売却マンションと類似した物件、例えば同じ地域や同じ築年数、間取りなどの条件が近い物件の売却実績がある会社は、その特定の市場セグメントに関する深い知識と理解を持っていると考えられます。
このような専門知識は、適切な価格設定や効果的なマーケティング戦略の立案に活かされ、結果として売却をスムーズに進めることができるでしょう。

ただし、実績の数だけでなく、その内容や質も重要です。
可能であれば、過去の取引の詳細や顧客の満足度なども確認することをおすすめします。

これらの情報を総合的に判断することで、信頼できる不動産会社を選ぶことができ、円滑なマンション売却につながるでしょう。

査定時に根拠をしっかり説明してくれる
売却査定時は単に金額を提示するだけでなく、その根拠を明確に説明してくれる会社を選びましょう。

透明性の高い対応は信頼の証です。
専門知識を持つ不動産会社は、査定価格の算出過程を詳細に説明できるはずです。

例えば、周辺の取引事例や市場動向、物件の特徴や立地条件などを考慮し、どのように価格を導き出したのかを丁寧に解説してくれるでしょう。
このような説明は、売主であるあなたが物件の価値を正確に理解し、適切な売却戦略を立てる上で非常に重要です。

また、根拠のある説明は、後々の価格交渉の際にも役立ちます。
買主に対しても説得力のある価格提示ができ、スムーズな取引につながる可能性が高くなります。

さらに、査定時に詳細な説明を受けることで、その不動産会社の知識や経験、プロフェッショナリズムを判断することもできます。
質問にも丁寧に答えてくれる会社は、売却プロセス全体を通じて良好なコミュニケーションを取れる可能性が高いでしょう。

一方で、根拠のない高額査定や、逆に不当に安い査定を提示する会社には注意が必要です。
複数の会社から査定を受け、それぞれの説明を比較検討することで、より信頼できる不動産会社を見極めることができるでしょう。

透明性の高い対応をする会社を選ぶことで、安心して売却プロセスを進められ、最終的に満足のいく取引結果につながる可能性が高まります。

ネットの口コミがいい
インターネット上の口コミは、不動産会社を選ぶ際の貴重な情報源となります。
実際に取引を経験した顧客の声は、その会社のサービス品質や対応の実態を知る上で非常に有用です。

口コミを見る際は、単に評価の星の数だけでなく、具体的なコメントの内容にも注目しましょう。
例えば、担当者の対応の丁寧さ、売却にかかった期間、最終的な売却価格の満足度、トラブル発生時の対処法などの情報が記載されていれば、より実態に即した判断ができます。

また、口コミの数と投稿時期にも注意を払うことが重要です。
最近の口コミが多いほど、その会社の現在の状況をより正確に反映していると考えられます。
古い口コミばかりの場合は、最新の情報を得るためにさらなる調査が必要かもしれません。

囲い込みをしない
不動産取引における「囲い込み」は、売主と買主の双方に不利益をもたらす悪質な行為です。
これは、不動産会社が売主と買主の両方から手数料を得ることを目的として、自社以外の購入希望者に物件を買わせない行為を指します。

具体的には、売主から専任媒介契約や専属専任媒介契約で売却依頼された物件を、他の不動産会社に紹介しないことです。
例えば、他社から「この物件を見たい顧客がいる」という問い合わせがあっても、「すでに申込みが入っている」などと虚偽の回答をして、案内を断るのです。

このような囲い込みは、売主から仲介依頼を受けた不動産会社が自社のみで取引を完結させようと、意図的に売却活動を制限することで成立します。
不動産会社にとっては両手仲介で2倍の手数料を得られるメリットがありますが、売主には大きなデメリットが生じる背信行為です。

囲い込みが行われると、物件情報が広く公開されないため、多くの潜在的な買主に物件を見てもらう機会が減少します。
その結果、適正な競争が起こりにくくなり、物件の市場価値が十分に反映されない可能性が高まります。これは売主にとって、適正価格での売却機会を逃す大きな損失となります。

さらに、囲い込みは売却価格の低下や売却期間の長期化につながり、売主にとって納得のいかない売却結果を招くリスクがあります。

担当者のレスポンスが早い
不動産売却は多くの売主にとって人生の一大イベントであり、様々な不安や疑問が生じるものです。
そのような中で、担当者の素早いレスポンスは非常に重要な要素となります。

迅速な対応は、単に売主の不安を軽減するだけでなく、実際の売却プロセスをスムーズに進める上でも欠かせません。
例えば、買主からの問い合わせや内見の申し込みに迅速に対応することで、潜在的な購入者の興味を逃さず、成約の可能性を高めることができます。
また、価格交渉の場面でも、タイムリーな情報交換や助言が取引をスムーズに進める鍵となります。

レスポンスの早さを判断する際は、初期の問い合わせ時の対応だけでなく、契約前の細かな質問への返答や、必要書類の準備に関する指示なども含めて評価することが大切です。

 

不動産査定とは、専門知識を持つ不動産業者や鑑定士が、特定の不動産物件の市場価値を評価するプロセスです。

この査定は、物件の売却や購入、不動産や土地の買取、担保設定、相続、税務申告など、様々な目的で行われます。
査定の際には、物件自体の特徴(面積、築年数、構造、設備など)だけでなく、立地条件、周辺環境、最近の不動産市場の動向、将来の開発計画なども総合的に考慮されます。

正確な査定結果を得るためには、物件に関する詳細な情報提供が重要であり、これにより所有者は物件の適正価格を把握し、今後の方針を決定する際の重要な判断材料とすることができます。

この記事を見ている人はこちらも読まれています

マンション売却にかかる費用や流れは?注意点や高値で売却するポイントを解説!
マンション売却を考えている方の中には、「売却の流れがよくわからない」「どんな費用がかかるんだろう」「できるだけ高く売りたいけど、どうすればいいんだろう」と悩…

不動産査定の種類について
不動産査定には主に3つの種類があります。
ここからは、それぞれの特徴と適した状況を解説していきます。

机上査定(簡易査定)
机上査定は、物件を実際に訪問せず、提供された基本情報をもとに行う簡易的な査定方法です。

この方法では、所在地、面積、築年数、間取りなどの基本データと、周辺の取引事例や公示地価などの公開情報を組み合わせて価格を算出します。
迅速性が最大の利点で、通常数日以内に結果が得られますが、物件の個別性や実際の状態を確認できないため、精度は後述する訪問査定に比べて低くなります。

そのため、概算値を知りたい場合などの初期段階で利用されることが多く、最終的な売却価格決定には、より詳細な査定方法を併用することが推奨されます。

AI査定
AI査定は、最新の人工知能技術を活用して行う不動産評価方法です。

この手法では、膨大な不動産取引データ、地理情報、経済指標などを高速で分析し、物件の価値を算出します。
AIは複雑な要因間の相関関係を学習し、人間では気づきにくいパターンを見出すことができるため、従来の手法よりも多角的な分析が可能です。
査定のスピードと一貫性が高いことが大きな利点ですが、AIは学習データに基づいて判断するため、特殊な条件や最新の市場変動、物件固有の魅力など、データ化しにくい要素を完全に反映することは難しい場合があります。

AI査定は有用なツールではありますが、専門家による判断と組み合わせて活用することで、より精度の高い評価が可能になります。

訪問査定
訪問査定は、不動産会社の経験豊富な担当者が実際に物件を訪問し、直接目で見て確認しながら行う、最も精度の高い査定方法です。

この方法では、物件の外観や内装の状態、日当たり、騒音レベル、周辺環境など、書類や写真だけでは把握しきれない要素を詳細に評価することができます。
また、所有者との直接対話を通じて、物件の歴史やメンテナンス状況、近隣との関係性など、数値化しにくい情報も収集できるため、より正確で現実的な査定額を算出することが可能です。
ただし、担当者の訪問日程調整や実地調査に時間がかかるため、結果が出るまでに数日から1週間程度を要することが一般的です。

この詳細な評価プロセスにより、売主にとっては適正価格での売却機会を、買主にとっては物件の真の価値を理解する機会を提供する、信頼性の高い査定方法といえます。

査定依頼に必要な準備とは?
不動産査定を依頼する際、正確で信頼性の高い結果を得るためには、適切な準備が不可欠です。

この準備過程は、単に書類を集めるだけでなく、物件の現状を客観的に把握し、その価値を最大限に引き出すための重要なステップとなります。
必要な情報と書類を事前に用意することで、査定担当者に物件の詳細を正確に伝えることができ、より精度の高い評価につながります。

また、この準備作業を通じて、所有者自身も物件の特徴や潜在的な課題を再確認できるため、将来の売却戦略を立てる上でも有益です。
具体的には、物件の基本情報、過去の修繕履歴、周辺環境の変化など、物件に関するあらゆる情報を整理し、関連する公的書類と共に準備することが重要です。

これらの準備を丁寧に行うことで、スムーズな査定プロセスと、より正確な査定結果を期待することができます。

必要な情報を揃える(必要な情報の内訳を記載してください。)
正確な査定のためには、物件に関する詳細な情報が不可欠です。
以下の情報を事前に整理しておきましょう。

•物件の所在地
•土地・建物の面積
•築年数
•間取り
•最寄り駅からの距離
•周辺環境(学校、商業施設など)
•リフォーム歴
•設備の状態

物件概要などがわかる書類を揃える(必要な書類を一式記載してください。)
査定をスムーズに進めるためには、物件に関する公的書類や証明書類を準備することが重要です。
以下の書類を可能な限り用意しましょう。

•登記簿謄本
•公図
•建物図面
•固定資産税評価証明書
•住宅ローンの残高証明書(残債がある場合)
•設備表
•修繕履歴書

不動産査定額の計算方法とは?

不動産査定額は主に3つの方法で計算されます。
それぞれの特徴を理解することで、査定結果をより深く理解できます。

原価法
原価法は、不動産の再調達原価をもとに対象不動産の価値を算出する査定方法です。
この手法は、対象不動産が建物または建物及びその敷地である場合に特に有効です。

具体的には、まず対象不動産を新たに建築・造成した場合の費用(再調達原価)を算出します。
次に、建物の経年劣化や機能的陳腐化による価値の低下を減価償却として考慮し、最終的な査定額(積算価格)を求めます。

原価法は、新築や築浅の物件、特殊な用途や構造を持つ建物の評価に適しており、例えば、特殊な工場施設など類似の取引事例が少ない物件の評価に有効です。
また、最近造成された土地のみの評価にも適用可能です。

この方法は、不動産の物理的側面に焦点を当てた評価手法であり、再調達原価を基準とするため市場変動の影響を受けにくいという特徴があります。
ただし、古い建物の場合、減価償却の計算が複雑になることがあるため、他の評価方法と併用して総合的に判断することが一般的です。

原価法は、建物の質や構造的特徴を重視する場合に重要な役割を果たし、適切な再調達原価の把握と減価修正が可能な場合に特に有効な手法といえます。

取引事例比較法
取引事例比較法は、不動産査定において最も一般的に用いられる方法の一つです。
この手法では、評価対象の不動産と類似した条件(立地、規模、築年数など)を持つ近隣物件の実際の取引価格を基準として、査定額を算出します。

具体的には、複数の類似取引事例を収集し、それぞれの物件と評価対象物件との違い(時点修正、地域格差、個別格差など)を細かく分析し、適切な調整を加えていきます。

この方法は、現在の不動産市場の実態を直接反映するため、市場価値の把握に優れており、特に一般的な住宅や集合住宅の評価に広く使用されています。
そして、買主や売主にとっても理解しやすい方法であるため、取引の際の価格交渉の根拠としても有用です。

ただし、特殊な物件や取引事例の少ない地域では適用が難しい場合もあるため、そのような際は他の評価方法と組み合わせて使用されることが一般的です。

不動産鑑定士や不動産業者は、この手法を用いることで、より客観的で市場実勢に即した評価を提供することができます。

収益還元法
収益還元法は、不動産投資や収益物件の評価に特化した査定方法です。
この手法では、対象不動産から将来得られると予想される純収益(賃料収入から諸経費を差し引いた金額)を現在の価値に換算して、物件の価値を算出します。

具体的には、年間の予想純収益を還元利回り(資本還元率)で割ることで、物件の価値を導き出します。

この方法は、オフィスビル、商業施設、アパートなどの投資用不動産や賃貸物件の評価に特に適しており、投資家や金融機関にとって重要な指標となります。

収益還元法の利点は、物件の収益性を直接的に反映できることですが、将来の収益予測や適切な還元利回りの設定には専門的な知識と経験が必要です。
また、この方法は不動産市場の変動や経済情勢の影響を受けやすいため、他の評価方法と併用して総合的に判断することが一般的です。

不動産の収益性を重視する投資家にとっては、この手法による評価が物件購入の判断材料として特に重要な役割を果たします。

不動産査定の流れとは?

不動産査定は一連の流れに沿って進められます。
各ステップを理解することで、スムーズな査定プロセスを実現できます。

1.不動産会社へ査定依頼を行う
不動産査定プロセスの第一歩は、信頼できる不動産会社に査定依頼を行うことです。
この段階では、地域の不動産市場に精通し、豊富な経験を持つ複数の会社を選定することが重要です。

依頼方法は、各社のウェブサイト上のオンラインフォームを利用する方法が一般的で、24時間いつでも簡単に申し込みができます。
また、より詳細な情報を伝えたい場合や、即時の対応を希望する場合は、電話での依頼も効果的です。

依頼の際には、物件の基本情報(所在地、種類、面積など)に加え、査定の目的(売却、担保設定など)も明確に伝えることで、より適切な対応を受けることができます。
信頼性の高い会社を選ぶためには、実績や口コミ、対応の丁寧さなども考慮に入れると良いでしょう。

この最初の段階で、適切な不動産会社を選ぶことが、正確な査定結果を得るための重要な基盤となります。

2.訪問査定の依頼・日程の確定
査定依頼後、不動産会社から連絡があり、訪問査定の具体的な調整に入ります。
この段階では、単に日程を決めるだけでなく、査定の進め方や所要時間、立ち会いの必要性などについても詳細に確認します。

また、不動産会社との対話を通じて、準備すべき書類や情報の詳細リストを入手し、漏れなく用意することが重要です。
通常必要となる登記簿謄本や固定資産税評価証明書などの基本書類に加え、リフォーム履歴や設備の保証書など、物件の価値に影響を与える可能性のある資料も準備します。
さらに、近隣の開発計画や地域の将来性など、物件価値に関わる情報があれば、この段階で不動産会社に伝えておくことで、より正確な査定につながります。

日程調整の際には、物件の状態を最良の状態で見てもらえるよう、十分な準備時間を確保することも大切です。
この丁寧な準備と調整のプロセスが、精度の高い査定結果につながる重要な基盤となります。

3.現地調査を行う
現地調査は、不動産査定プロセスの中で最も重要な段階の一つです。

不動産会社の経験豊富な担当者が実際に物件を訪問し、綿密かつ詳細な調査を行います。
この調査では、建物の外観や内装の状態、構造上の特徴、設備の種類や状態など、物件自体の詳細な確認が行われます。

同時に、日当たりや風通し、騒音レベルといった居住環境の質も評価されます。
さらに、周辺環境の調査も重要で、最寄り駅までの距離や経路、周辺の商業施設、学校、公園などの利便施設の有無、近隣の開発状況なども綿密にチェックされます。

担当者は、これらの情報を総合的に分析し、物件の現在の市場価値を判断するとともに、物件の歴史や特殊な事情など書類だけでは分からない情報を所有者から直接聞き取ることで、より正確な評価につなげます。

この詳細な現地調査により、机上の情報だけでは把握できない物件の真の価値を見極めることが可能となり、より信頼性の高い査定結果を導き出すことができます。

4.査定額の結果を受け取る
現地調査の後、通常1週間程度で不動産会社から詳細な査定結果が提示されます。
この査定結果には、単に査定額が記載されているだけでなく、その金額に至った詳細な根拠や分析内容も含まれています。

具体的には、周辺の取引事例との比較、物件の特徴や状態の評価、立地条件の分析、将来的な資産価値の予測などが記載されており、所有者が査定額の妥当性を理解するのに役立ちます。
また、物件の強みや弱み、売却に向けての改善点なども提案されることが多く、これらの情報は今後の売却戦略を立てる上で非常に有用です。

査定結果を受け取った際は、不明点や疑問点があれば、遠慮なく不動産会社に質問し、十分な説明を求めることが重要です。
さらに、複数の不動産会社に査定を依頼している場合は、それぞれの結果を比較検討することで、より客観的な市場価値の把握が可能となります。

この段階で得られた情報を十分に理解し、検討することが、今後の不動産取引における重要な意思決定の基盤となります。

不動産査定で査定額に影響するポイント

査定額は様々な要因によって決まります。
これらのポイントを理解することで、自身の物件の価値をより正確に把握できます。

立地条件・周辺環境
不動産の価値を決定する要因の中で、立地条件と周辺環境は最も重要な要素の一つです。

最寄り駅からの距離は、特に都市部では大きな影響力を持ち、駅に近いほど一般的に高評価となります。
また、バス停の位置や路線の充実度も考慮されます。

商業施設の有無や種類も重要で、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの日用品を扱う店舗が近くにあるかどうかは、生活の利便性に直結します。
教育環境も査定額に影響を与え、評判の良い学校が近くにあるかどうかは、特に子育て世帯にとって重要な判断材料となります。

さらに、公園や図書館などの公共施設の有無、医療機関へのアクセス、治安の良さなども考慮されます。
加えて、将来的な開発計画や地域の発展性も査定に影響を与える要因となり、再開発が予定されている地域では将来的な価値上昇の可能性も加味されます。

これらの立地条件と周辺環境を総合的に評価することで、物件の真の価値が決定され、それが査定額に大きく反映されるのです。

築年数
築年数も不動産の査定額を決定する上で重要な要素の一つです。

一般的に、建物は経年劣化により価値が低下するため、築年数が古いほど査定額は低くなる傾向にあります。
これは建物の構造体や設備の劣化、デザインや機能の陳腐化などが主な理由です。

しかし、築年数だけで単純に判断されるわけではありません。
適切かつ定期的なメンテナンスや修繕、さらにはリノベーションなどの大規模改修を行うことで、建物の価値を維持あるいは向上させることも可能です。

例えば、築年数は古くても、耐震性能が高い、断熱性能が優れている、あるいは歴史的・文化的価値がある場合などは、高い評価を受けることがあります。
また、マンションの場合、管理状態や修繕積立金の状況なども重要な判断材料となります。

さらに、近年では「中古物件」に対する価値観も変化しており、リノベーションされた古い建物や、独特の趣がある物件が好まれるケースも増えています。

このように、築年数は重要な要素ではありますが、それ以外の要因も含めて総合的に評価されることを理解しておくことが大切です。

構造
建物の構造は、不動産の耐久性、安全性、そして長期的な価値を大きく左右する要素です。

主な構造として、木造、鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート造)などがあり、それぞれに特徴があります。
木造は比較的安価で建築しやすく、温かみのある居住空間を提供しますが、耐火性や耐久性では他の構造に劣る傾向があります。
一方、鉄骨造は強度が高く、大空間を作りやすいため、商業施設やオフィスビルに多く使用されます。
RC造は耐火性、耐震性に優れ、高層建築にも適していることから、マンションなどの集合住宅で多く採用されています。
また、最近では木造とRC造を組み合わせた木造ハイブリッド構造など、新しい建築技術も登場しています。

構造の選択は、建物の用途、立地条件、予算、法規制などを考慮して決定されますが、査定においては、その構造が持つ耐久性、メンテナンス性、将来的な改修のしやすさなども評価の対象となります。
さらに、耐震性能や省エネ性能といった現代の建築基準に適合しているかどうかも重要な判断材料となり、これらの要素が総合的に考慮されて査定額に反映されます。

外装
建物の外装は、不動産の第一印象を決定づける重要な要素であり、査定額に大きな影響を与えます。

外壁の状態や屋根の状況は、建物全体の印象や維持管理状態を如実に示すバロメーターとなり、ひび割れや剥がれ、汚れの有無、塗装の状態などが細かくチェックされます。
これらの状態は、建物の美観だけでなく、防水性能や断熱性能にも関わるため、特に重要視されます。

屋根については、材質(瓦、スレート、金属など)や形状に加え、雨漏りの痕跡や日射による劣化の程度が確認されます。
また、バルコニーや外部階段、玄関周りの状態も外装の一部として評価対象となります。

さらに、外装材の種類や品質、メンテナンス履歴なども考慮されるでしょう。
例えば、高品質な外装材を使用していたり、定期的なメンテナンスが行われていたりする場合は、高評価につながります。

近年では、外装の断熱性能や耐候性、環境負荷の低さなども重視される傾向にあり、これらの要素が総合的に判断されて査定額に反映されます。
良好な外装状態は、建物の長寿命化にもつながるため、不動産の価値を維持・向上させる上で非常に重要な要素といえます。

間取り
間取りに関しても、不動産の実用性と快適性を決定づける重要な要素であり、査定額に大きな影響を与えます。

使いやすい間取りや、現代のライフスタイルに適合した部屋数は高評価につながります。
具体的には、リビングと寝室の配置、キッチンの形状と広さ、収納スペースの充実度、トイレや浴室の位置などが細かく評価されます。

例えば、LDKが広く開放的で家族の団欒を促す設計になっているか、プライバシーを確保できる寝室配置になっているかなどが重視されます。
また、在宅勤務の増加に伴い、書斎やワークスペースの有無も重要な判断基準となっています。
さらに、将来的な家族構成の変化に対応できる柔軟性も評価のポイントとなり、可動式の間仕切りや、2世帯住宅への転用のしやすさなども考慮されます。

一方で、無駄に広すぎる空間や使い勝手の悪い死角スペースは、マイナス評価につながる可能性があります。
近年のトレンドとしては、省エネや健康志向を反映した「パッシブデザイン」や「スマートハウス」の概念も間取り評価に影響を与え始めています。

間取りの評価は単に部屋数や広さだけでなく、生活の質や時代のニーズを反映した多角的な視点で行われ、それが最終的な査定額に反映されるのです。

内装状態・設備
内装状態と設備の質は、不動産の快適性と機能性を直接的に反映するため、査定において非常に重要視される要素です。

内装のグレードは、使用されている材料の品質、デザインの洗練度、仕上げの丁寧さなどから判断され、高級感や清潔感のある内装は高評価につながります。
壁紙や床材の状態、天井の高さ、照明器具の質なども細かくチェックされます。
設備に関しては、キッチン、バス、トイレ、洗面所などの水回りの設備が特に注目されるとともに、
最新の省エネ家電、ハイテク機能を備えたシステムキッチン、高機能な温水洗浄便座、ミストサウナ付きの浴室など、快適性を高める設備の有無が評価されます。

さらに近年では、スマートホーム技術の導入状況も評価のポイントとなっており、IoT対応の家電制御システムやAI搭載の管理システムなどが付加価値として認識されています。
内装や設備のリフォーム履歴や、メンテナンス状況も考慮され、適切に手入れされている物件は高く評価されるでしょう。

ただし、過度に個性的な内装や、維持費の高い高級設備は、必ずしもプラス評価にならない場合もあるため、バランスの取れた内装と設備の選択が重要です。
これらの要素が総合的に判断され、生活の質と利便性を反映した形で最終的な査定額に影響を与えます。

住宅環境(日当たり・風通し)
日当たりと風通しは、住宅の快適性と健康的な生活環境を大きく左右する要素であり、不動産査定において高い評価ポイントとなります。

良好な日当たりは、室内を明るく保ち、冬季の暖房効率を高めるだけでなく、湿気対策にも効果的です。
特に、リビングや寝室などの主要な居住空間における太陽光の入り方や強さ、一日の中での日照時間などが詳細にチェックされます。
南向きの間取りや大きな窓の配置は、この点で高評価につながります。

一方、風通しの良さは、夏季の冷房効率を高め、室内の空気質を改善し、結露やカビの発生を防ぐ上で重要です。
窓の配置や大きさ、部屋の通り抜けの良さなどが評価のポイントとなります。
また、周辺の建物や地形による日影の影響、季節ごとの風の流れなども考慮されます。

最近では、パッシブデザインの概念が注目されており、自然の光と風を効果的に取り入れる設計が高く評価される傾向にあります。
さらに、プライバシーの確保と日当たり・風通しのバランス、周辺の騒音レベルなども総合的に判断されます。

これらの要素は、居住者の生活の質だけでなく、エネルギー効率や維持管理コストにも影響を与えるため、不動産の長期的な価値を左右する重要な判断基準となっています。

土地の条件
不動産査定において、土地の条件は建物と同等かそれ以上に重要な評価要素です。
土地の形状、接道状況、地盤の良さなどが主な評価対象となり、これらの要素が総合的に判断されて査定額に大きく影響します。

土地の形状に関しては、整形地であるか不整形地であるかが重要で、一般的に長方形や正方形に近い整形地のほうが利用しやすく評価が高くなります。
接道状況については、公道に面している間口の広さや、セットバック(道路境界線からの後退)の必要性などが確認されます。
二方向以上に接道している角地は、採光や通風の面で有利とされ、高評価につながります。

地盤の良さは、土地の安定性と直結する要素で、軟弱地盤や液状化の可能性がある地域では評価が下がる傾向にあります。
また、土地の傾斜度も重要で、平坦な土地のほうが建築や利用がしやすいため好まれます。
さらに、土地の権利関係(所有権、地上権、借地権など)、都市計画法上の用途地域、建ぺい率・容積率といった建築制限、埋蔵文化財の有無なども細かくチェックされます。

近年では、ハザードマップによる災害リスクの評価も重要視されており、浸水や土砂災害の危険性が低い土地ほど高く評価されます。
これらの多岐にわたる土地の条件を総合的に分析することで、その土地の真の価値が判断され、最終的な査定額に反映されるのです。

境界・越境状態
不動産査定において、境界・越境状態の確認は、将来的なトラブル防止と法的安全性の確保の観点から非常に重要な要素です。

境界線の明確さは、所有地の範囲を正確に把握するために不可欠であり、境界杭の存在や測量図の正確性が詳細にチェックされます。
不明確な境界は、隣地所有者との紛争リスクを高め、不動産の価値を低下させる可能性があります。

また、越境状態の有無も重要な確認事項で、自身の建物や構造物が隣地に越境していないか、逆に隣地からの越境がないかが調査されます。
例えば、塀や樹木の枝、屋根の軒先などが隣地に越境している場合、将来的に撤去や是正を求められる可能性があり、これらは査定額にマイナスの影響を与えます。
さらに、境界確定の履歴や隣地所有者との合意書の有無なども重要な判断材料となります。

近年では、法務局が提供する地図情報システムなども活用され、より正確な境界確認が行われるようになっています。
加えて、公道との境界や、セットバックの必要性なども細かく確認されます。

これらの境界・越境に関する情報は、不動産の安全な取引や将来的な利用、開発の可能性に直結するため、査定において慎重に評価され、最終的な査定額に反映されます。
適切に管理され、問題のない境界状態は、不動産の価値を維持・向上させる重要な要素となります。

不動産査定依頼時の注意点

査定を依頼する際には、以下の点に注意することで、より正確で有益な査定結果を得ることができます。

事前に周辺相場を把握する
不動産査定を依頼する前に、周辺相場を事前に把握しておくことは、査定結果の妥当性を判断する上で非常に重要です。

近年は、不動産ポータルサイトや各種不動産情報サービスを活用することで、比較的容易に周辺の取引事例や相場情報を入手することができます。
これらのサイトでは、地域や物件タイプ、築年数などの条件を絞り込んで検索することが可能で、より自身の物件に近い条件での相場感を掴むことができます。

また、国土交通省が提供する地価公示や都道府県地価調査の情報も参考になり、これらの公的な情報は、不動産取引の指標として広く活用されています。
加えて、地元の不動産業者に直接相談したり、近隣の不動産売買の広告などもチェックしたりすることで、より詳細な地域情報を得ることができるでしょう。

ただし、相場情報はあくまで参考値であり、個々の物件の特性や状態によって実際の価格は大きく異なる可能性があることに注意が必要です。
そして、相場は常に変動しているため、できるだけ新しい情報を収集することが大切です。

このように事前に周辺相場を把握しておくことで、不動産会社から提示された査定額が妥当なものかどうかを判断する基準となり、
適正な価格での売却や、過度に低い査定額を提示されるリスクを回避することができます。
この過程で得られた知識は、不動産会社との交渉や、最終的な売却価格の決定にも役立つ重要な情報となります。

設備の状態や瑕疵をしっかり伝える
不動産査定の際に、物件の設備状態や瑕疵(かし)について正確かつ詳細に伝えることは、公正で信頼性の高い査定結果を得るために非常に重要です。
物件の良い点や魅力的な特徴を強調することは自然な心理ですが、同時に修繕が必要な箇所や潜在的な問題点も正直に開示することが、長期的には有益です。

例えば、水回りの不具合、電気設備の老朽化、外壁のひび割れ、雨漏りの痕跡などの具体的な問題点を明確に伝えることで、より正確な査定が可能になります。
また、過去に行った修繕やリフォームの履歴、定期的なメンテナンス状況なども詳細に説明することが大切です。
これらの情報は、物件の現在の状態だけでなく、将来的な維持管理コストの予測にも影響を与えます。

さらに、建物や土地に関する法的な問題(建築基準法違反や境界問題など)があれば、それらも隠さず伝える必要があります。
このような誠実な情報開示は、一見すると査定額を下げる要因になるように思えるかもしれませんが、実際には信頼関係の構築につながり、スムーズな取引プロセスを促進します。
また、後々のトラブルを防ぐことにもつながります。

不動産会社は、これらの情報を基に適切な改善提案や対策を講じることができ、結果として物件の価値を最大化する方策を見出せる可能性が高まります。
正直で透明性の高い情報提供は、公正な取引の基本であり、売主、買主、そして仲介者すべてにとって有益な結果をもたらす重要な要素なのです。

複数社に査定依頼をする
不動産の適正価格を把握するためには、3社以上の不動産会社に査定を依頼することが非常に効果的です。
この方法により、より客観的で信頼性の高い市場価値を把握することができます。

各不動産会社は異なる評価基準や市場分析手法を持っているため、複数の視点から物件を評価することで、より包括的な価格帯を把握できます。
また、地域に精通した地元の不動産会社と、全国規模で展開している大手不動産会社など、異なる特性を持つ会社を選ぶことで、多角的な評価を得ることができます。

さらに、複数社に依頼することで、各社の対応や説明の丁寧さ、提案内容の質なども比較でき、将来的に売却を委託する会社選びの参考にもなります。
ただし、あまりに多くの会社に依頼すると、対応に時間がかかり、かえって混乱を招く可能性もあるため、通常は3〜5社程度が適切とされています。

また、各社の査定結果を比較する際は、単に金額の高低だけでなく、その根拠や分析内容、市場動向の見方なども十分に吟味することが重要です。
極端に高い査定額や低い査定額がある場合は、その理由を詳しく確認することで、物件の潜在的な価値や改善点を発見できることもあります。

このように、複数社への査定依頼は、単に平均的な価格を知るだけでなく、物件の多面的な価値を理解し、最適な売却戦略を立てるための重要なステップとなります。

不動産査定依頼後の注意点

査定結果を受け取った後も、以下の点に注意して慎重に検討することが大切です。

査定額の根拠を不動産会社に確認する
不動産査定結果を受け取った際、単に提示された金額を鵜呑みにするのではなく、その算出根拠を不動産会社に詳しく説明してもらうことが非常に重要です。
これにより、査定額の妥当性を判断し、物件の真の価値を理解することができます。

具体的には、比較対象となった近隣物件の詳細、評価に用いた計算方法(取引事例比較法、原価法、収益還元法など)、物件の特徴がどのように評価に反映されたかなどを確認しましょう。
また、プラス評価された点とマイナス評価された点を具体的に説明してもらうことで、物件の強みや改善すべき点が明確になります。

さらに、現在の不動産市場の動向や、その地域特有の需給バランスがどのように査定額に影響しているかも重要な確認ポイントです。
不動産会社によっては、将来的な価値変動の予測や、想定される買主層についての分析も提供してくれる場合があります。

これらの詳細な説明を求めることは、単に査定額の根拠を理解するだけでなく、不動産会社の専門知識や誠実さを判断する機会にもなります。
また、複数の不動産会社から査定を受けている場合、各社の根拠説明を比較することで、より客観的な視点で物件の価値を把握することができます。

査定額の根拠を十分に理解することは、適正価格での売却や、効果的な販売戦略の立案につながる重要なステップであり、不動産取引における交渉力を高める上でも非常に有益です。

ローン残債が返済できる金額か確認する
不動産の査定額を受け取った際、特に住宅ローンが残っている場合は、その査定額がローン残債を上回っているかどうかを慎重に確認することが極めて重要です。
これは単なる数字の比較以上に、今後の生活設計や財務計画に大きく影響する重要な判断ポイントとなります。

査定額がローン残債を下回る「債務超過」状態の場合、売却しても借金が残ってしまうため、売却の是非や時期、方法について慎重に検討する必要があります。
一方、査定額がローン残債を上回っていても、その差額が僅かな場合は、売却費用(仲介手数料、税金など)を考慮すると実質的な債務超過になる可能性があるため、詳細な費用計算が必要です。

また、ローンの種類(変動金利か固定金利か)や、繰上げ返済の可否、ペナルティの有無なども確認すべき重要な要素です。
さらに、現在の不動産市場の動向や今後の見通しを考慮し、売却のタイミングについても慎重に判断することが大切です。
場合によっては、一時的に賃貸に出すなどの代替策を検討したり、ローンの借り換えや条件変更を金融機関と交渉したりすることも選択肢となります。

このように、ローン残債と査定額の関係を詳細に分析することは、単に売却の可否を判断するだけでなく、将来的な資産計画や生活設計を見直す重要な機会にもなります。
専門家(ファイナンシャルプランナーや不動産専門の弁護士など)のアドバイスを受けることも、より適切な判断を下すための有効な手段となるでしょう。

よくある質問

不動産査定に関してよくある質問とその回答を紹介します。

Q1.不動産売却にかかる諸費用を教えてほしい
不動産を売却する際には、仲介手数料や登記費用、税金など、様々な諸費用が発生しますが、具体的にどのような費用が発生するのでしょうか。

A1.不動産売却にかかる諸費用と税金につて
不動産売却時には主に以下の費用がかかります。

仲介手数料(売却価格の3%程度)
登記費用(司法書士報酬含む)
抵当権抹消費用(ローンがある場合)
印紙代
譲渡所得税
不動産売却時にかかる諸費用は、通常、売却価格の5〜8%程度と言われています。
税金については、所有期間や物件の種類によって軽減措置が適用される場合がありますので、詳細は税理士に相談することをおすすめします。

Q2.売却前にリフォームやクリーニングをした方がいいですか?
物件の価値を上げて高く売却したいと考えていますが、売却前にリフォームやクリーニングを行うことで本当に査定額や売却のしやすさが向上するのか、またその費用対効果はどの程度なのか知りたいです。

A2.ペットを飼っている場合はクリーニングした方がいい
ペットを飼っている場合は、臭いや毛の除去のためにプロによるクリーニングを行うことをおすすめします。
これにより、物件の印象が大きく改善され、査定額や売却のしやすさに好影響を与える可能性があります。

一方、リフォームについては慎重に検討する必要があります。
大規模なリフォームは費用がかかる割に、必ずしも査定額や売却価格に反映されるとは限りません。
リフォームを検討する場合は、事前に不動産会社に相談し、費用対効果を十分に検討することをおすすめします。

場合によっては、軽微な修繕や清掃だけで十分な効果が得られることもあります。

マンションに限らず不動産の売却に失敗しないためには、事前に査定しておおよその価格を調べておくことが重要です。事前に売却相場を調べておくことで、安く売ってしまうことを防げます。マンションを査定する方法には次の2つがあります。

・不動産会社に依頼する
・一括査定サイトを利用する

それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

不動産会社へ依頼する
マンションの査定を行う方法の1つが、直接不動産会社へ依頼する方法です。直接不動産会社へ依頼する場合の、メリットは次の通りです。

【メリット】
・担当者や会社の雰囲気がわかる
・得意分野がわかる
・地域の情報に精通している

一括査定サイトを利用するのではなく、直接不動産会社へ出向いて相談することで担当者の顔が見えて会社の雰囲気がわかります。マンションに限らず不動産を売却する際には不動産会社の力量によって、成否が左右されます。そのため信頼できる不動産会社と担当を見つけることが、マンション売却では重要です。ネット経由の一括査定では中々会社の雰囲気もわかりにくいですが、直接依頼すれば会社の雰囲気もわかりやすいでしょう。

不動産会社には得意・不得意があり、中にはマンション販売に慣れていない会社もあります。一括査定では得意分野までわかりませんが、直接依頼することで担当者からの話も聞けるため特徴がわかりやすいです。また地域に密着して営業している不動産会社であれば、地域の情報に精通しています。特定の物件やエリアに強い場合もあり、自社の人脈で顧客を抱えている場合も少なくありません。

続いて、直接不動産会社へ依頼する場合のデメリットを見ていきましょう。

【デメリット】
・複数社を比較する手間がかかる
・マンションが不得意な不動産会社に依頼してしまう可能性がある

正確な査定価格を知るためには、複数の不動産会社の査定を比較する必要があります。不動産会社にはそれぞれ得意分野があるため査定額にもバラつきがあります。そのため1社だけではなく複数の会社から査定をとる必要がありますが、直接依頼する場合は複数の不動産会社と直接やりとりしなければなりません。比較する会社が多ければ多いほど、手間と時間がかかってしまうでしょう。

また1社1社相談していては、マンションに強い不動産会社に出会えないかもしれません。直接依頼する場合はどうしても比較する会社の数にも限界があり、一括査定に比べると比較する数は少なくなってしまいます。そのためマンションに強い不動産会社に出会えないまま、売却を依頼してしまう可能性があります。

一括査定サイトを利用する
マンションを査定する際には、一括サイトを利用する方法もあります。一括サイトのメリットは次の通りです。

【メリット】
・複数の会社に査定が依頼できる
・直接不動産会社とやりとりする必要がない
・手間がかからない

一括査定の魅力は、複数の会社に査定依頼ができる点でしょう。直接不動産会社に依頼することに比べると、Web経由で簡単に申し込みができるだけでなく、大手から中小まで多くの会社に依頼できます。簡易的な査定であれば直接不動産会社とやりとりする必要もないため、お手軽に査定ができます。直接不動産会社に依頼する方法に比べると、手間も時間もかけずに多くの不動産会社の査定を比較できる点がメリットです。

便利な一括査定ですが、デメリットもあります。

【デメリット】
・地域密着の不動産会社が見つからない可能性がある
・多くの不動産会社から営業連絡がくる

多くの不動産会社を簡単に比較できる一括査定ですが、すべての不動産会社が利用しているわけではありません。大手不動産会社はたいてい一括査定を利用していますが、地域密着の中小不動産会社の場合は一括査定に対応していない場合もあります。そのため一括査定だけを利用している場合、地域に精通した地元不動産会社を見逃してしまう可能性があります。長年地域に密着している不動産会社は大手にはない独自のルートや顧客網、情報を有しており大手よりも高く売却できるかもしれません。一括査定はすべての不動産会社を網羅しているわけではないことは、認識しておきましょう。

また一括査定では多くの不動産に依頼を出すため、営業の連絡を頻繁に受けることになります。多くの不動産会社に査定を出すほど、連絡がくる回数は多くなるでしょう。依頼する不動産会社を決めた後は、各社へ断りの連絡をする手間がかかる点は一括査定のデメリットです。
マンション査定の流れ

ここからは実際にマンションを無料査定する際の流れを見ていきましょう。マンション査定の流れは、次の通りです。

1.マンションの査定依頼をする
2.訪問査で現地調査をしてもらう
3.査定額が出る
4.売却の場合は不動産会社に依頼して売却活動

査定の流れを詳しく紹介します。

1.マンションの査定依頼をする
マンションの査定の第一歩は、不動産会社へ査定依頼をすることです。直接不動産会社へ連絡する方法もありますが、Web経由で申し込むこともできます。マンションの売却では多くの書類を準備する必要があるため、査定依頼する際に合わせて確認しておくとよいでしょう。

マンションを売る際の必要書類は下記の通りです。

・登記済証(権利証)または登記識別情報
・固定資産税・都市計画税納税通知書や固定資産税評価証明書
・分譲時のパンフレットや販売図面
・住宅ローンの返済予定
・建物状況調査書(インスペクションを実施している場合)
・既存住宅売買瑕疵保険の証明書(加入している場合)
・リフォーム箇所がわかる資料(リフォームを実施している場合)
・耐震診断報告書やアスベスト使用調査報告書(アスベストや耐震診断を行っている場合)

すべての書類が揃わない場合もあるため、不足している書類は事前に不動産会社に伝えておくとよいでしょう。

2.訪問査定で現地調査をしてもらう
不動産会社に査定を依頼すると、不動産会社の担当が現地を訪れてチェックを行います。訪問査定ではマンション室内はもちろん、階数や眺望・近隣の雰囲気や環境、駅からの距離や立地、共用部分やマンションの構造などさまざまな点を調べて査定額に反映させます。不動産会社にもよりますが、訪問査定の結果が出るまでには1~2週間程度かかるでしょう。

マンションの査定方法には、訪問査定も含めると次の3つがあります。

・訪問査定
・机上査定
・AI査定

訪問査定は不動産会社の担当が現地を見て、物件ごとの特性を加味したうえで査定額を算出します。そのため物件ごとの特徴を反映させやすく、査定額の精度が高いです。しかし不動産会社の担当とスケジュール調整など、査定が出るまでに時間がかかります。

机上査定はWebなどで入力された物件データに基づいて、机上での評価による査定額を算出する方法です。査定額を出すまでに即日~3日程度と訪問査定に比べると早いですが、精度は高くありません。

AI(匿名)査定とは、Webサイト上で物件のデータを入力するだけで、簡単に査定額を算出してくれる方法です。個人情報なども入力する必要がなくすぐに査定額が算出できますが、査定の精度は机上評価よりも高くありません。

3.査定額が出る
現地調査が終わると、一定期間で査定額が報告されます。査定額は不動産会社によって違いがあり、また査定額と売却額が一致するわけではありません。

査定額はあくまで不動産会社が「このくらいの価格で売却できるだろう」という金額です。不動産会社によっては自社に売却を任せてほしいため、相場よりも高めに査定する場合もあります。そのため査定額を算出する際は、できるだけ複数の査定を比較するようにしましょう。

4.売却の場合は不動産会社に依頼して売却活動
査定書をもとに売却の意思を固めたら、不動産会社に依頼して売却活動に入ります。マンション売却を成功させるポイントの1つが、どこの不動産会社に依頼するかです。マンション売却において不動産会社の果たす役割はとても大きく、買主探しから価格交渉、契約時の事務など多岐にわたります。

とくに買主との価格交渉は売却額を決める重要な部分のため、不動産会社の力量が問われるでしょう。マンション売却を依頼する不動産会社は慎重に検討し、信頼できる会社に依頼するようにしましょう。

マンション査定で見られるポイントとは?

マンションの現地査定では、どのようなポイントが見られているでしょうか。マンション査定の際に、よく見られているポイントを紹介します。

1.立地・周辺環境
最初に紹介するポイントは、立地や周辺環境です。立地については事前の住所やマンション名などの情報である程度わかっているため、現地調査では駅からの距離や商業施設の充実度などを生活者視点で確認していきます。マンションの場合はとくに駅からの距離が重要で、徒歩10分以内であれば評価が高くなるでしょう。

また駅の大きさも重要で、急行が止まる駅や複数路線が乗り入れするターミナル駅であれば評価が高いです。駅距離だけでなくエリア全体で人気が高く、住んでみたい町かどうかも重要なポイントです。周辺環境では生活のしやすさや、利便性に着目されます。たとえばファミリー物件であれば周辺に学校や公園、病院などがあれば評価が高くなるでしょう。

2.築年数
マンションの築年数も、査定額には大きな影響を与えます。築年数は新しいほうがよいというイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。中古マンションでも高値で取引されているケースも多く、新築時の価格を上回っている物件もあります。

築年数は事前の情報でわかっているため、現地調査では築年にふさわしい建物や室内であるかどうかを確認します。築年数が古くても適切な修繕や掃除を行っていれば、問題ありません。しかし築年数以上に劣化していたり、必要な修繕を実施していない場合は注意が必要です。築年数に応じたメンテナンスを行うことで、資産性を維持できるでしょう。

3.構造
マンションの査定では、構造も確認されます。マンションには、主に次の3種類の構造が採用されることが多いです。

・RC造(鉄筋コンクリート造)
・SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
・S造(鉄骨造)

RC造(鉄筋コンクリート造)は建物の形の仮設の枠の中に鉄筋を組み、まだ柔らかい状態のコンクリートを流し込んで固めた構造のことで多くのマンションで採用されています。
RC造の芯の部分に鉄骨を入れた構造がSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)で、中高層マンションで使われることが多い構造です。
S造(鉄骨造)は、柱や梁など建物の骨組みに鉄骨を使用する構造で、使用される鉄骨によって軽量鉄骨と重量鉄骨があります。

どのような構造が採用されているか、また定期的に修繕・メンテナンスが行われているかも査定の際にはチェックします。

4.耐震基準
建物が「新耐震基準」に適合しているかどうかも、マンション査定では重要なポイントです。耐震基準は下記のように、築年数によって適用される基準が違います。

【耐震基準】
・旧耐震基準:1981(昭和56)年より前の物件
・新耐震基準:1981(昭和56)年以降の物件

1981年より前に建てられた物件は旧耐震基準で建築されており、1981年以降に建てられた物件は新耐震基準が適用されています。近年国内では大きな地震が発生していることもあり、旧耐震基準の建物は評価が下がってしまう傾向にあります。しかし旧耐震だからといって、必ずしも地震に弱いわけではありません。1981年より前に建てられた物件でも高いレベルで耐震性能を確保している物件もあり、新耐震としての基準をクリアしている物件もあります。

また築年数の古いマンションでは管理組合が主体となって、耐震工事や補強を行っている物件も少なくないでしょう。そのため耐震性能については、管理組合に確認しておくとよいでしょう。

5.専有面積・間取り・階数・日当たり
専有面積や間取りなども、査定に影響するポイントです。専有面積は基本的に広いほうが評価がよいですが、それだけではありません。生活のしやすい間取りか、現在の生活様式に見合った間取りになっているか、なども重要です。広さや部屋数だけでなく、生活動線のよい暮らしやすい間取りであれば評価もよくなるでしょう。

高層マンションの場合は、階数が高くなるほど評価額が高くなります。しかし高ければよいわけではなく、エレベーターの設置台数や搭載人数・速度などの使いやすさのほか、安全性なども重要です。さらに高層マンションの場合は眺望も重視される傾向にあります。富士山や東京タワー、または海沿いのオーシャンビューの物件などは人気があるでしょう。低層階であっても専用庭やルーフバルコニー、独自エントランスなどがあれば評価がよくなります。

部屋の方角は、南・東・西・北の順に人気があります。マンション室内の方角や日当たりは変えられないため、日当たりのよい部屋は評価が高いです。また日当たりだけでなく風通しも重要で、快適に暮らせる環境かどうかもポイントです。

6.内装・設備
室内やマンションの設備が、築年数と比べてどれくらい劣化しているかも見られます。室内の設備でとくに見られやすいのが、給排水などの水回りです。錆が出る・流れが悪いなどの不具合がある場合、リフォームしなければ快適に暮らせません。ほかにもビルトインタイプの照明やエアコンなどは、修理に費用がかかるため確認が必要です。

中古マンションを検討している買主は、購入後にある程度のリフォームを前提としています。しかし配管を大きく変更するなどフルリノベーションが必要になると、大きな費用が必要になります。内装や設備の状況は、査定に大きな影響を与えるでしょう。

7.リフォーム・修繕履歴
室内のリフォームや、修繕履歴も重要なポイントです。築年数の経過したマンションであっても適切なリフォームを実施していれば、評価が下がることはないでしょう。そのためマンションを売却する際には、いつどこの箇所をリフォームしたかがわかるように記録を残しておきましょう。

積極的にリフォームを行って室内の修繕を行っていれば、大切に使われていた部屋という印象を受けます。綺麗に丁寧に使われてきた部屋と聞くと買う側にとっても印象がよく、多少高くても購入する気になるでしょう。また個人のリフォームだけでなく、管理組合の全体の大規模修繕なども確認しておくとよいでしょう。

8.大規模修繕履歴
外壁や屋上などの、大規模修繕履歴も査定額に影響を与えます。大規模なマンションになるほど修繕の規模も大きくなるため、修繕の実施状況や大規模修繕計画は重要です。建物の資産価値を維持するためには、10~15年程度ごとに大規模な修繕が必要といわれています。マンションの場合は個人の判断で大規模修繕できるわけではないため、管理組合がどの程度修繕計画をたてているかも確認しておきましょう。

9.管理体制
マンションの評価では管理組合の管理体制も重視されます。具体的には管理組合から委託を受けた管理会社から派遣される管理員が、どれくらい常駐しているかが重要です。3交代制などで24時間常に管理員が常駐していれば評価が高く、逆に管理員の勤務日数が少なければ評価は悪くなります。

またエントランスやエレベーターなど、共有部分の清掃状況も評価されます。廊下やエレベーターなどにゴミが落ちていないか、ゴミ置き場が綺麗に保たれているか、自転車やバイクが所定の位置に置かれているか、などがチェックポイントです。また建物の図面などの重要な書類を管理会社がきちんと保管しているかどうかも重要です。

10.共有設備の充実度
共用設備の充実度も、マンション査定の際にはチェックされます。たとえば建物の外壁の仕上げ材によって、建物のグレード感に差が出るため査定に影響します。またマンションのエントランスのグレード感も、重要です。広くてホテルのような高級感のあるエントランスであれば、査定にはプラスに働くでしょう。

ほかにも共用設備がどれくらい充実しているかも、チェックされます。下記のような設備があると、査定額がよくなります。

・集会室
・キッズルーム
・パーティールーム
・ゲストルーム
・スポーツジム
・スタディルーム
・ラウンジ

マンション査定時の注意点

マンションの査定額は、売却価格ではありませんが売り出し価格を決める際にも参考になる重要な価格です。そのため査定はできるだけ正確に出してもらうことが、マンション売却の成功につながります。マンションの査定に失敗しないためにも、次の注意点は確認しておきましょう。

・査定前に周辺相場を把握しておく
・一社だけの査定で決めない
・ペットの臭いや汚れがひどい場合はクリーニングも検討する
・設備の故障や瑕疵をしっかり伝える

それぞれの内容を見ていきましょう。

マンション査定前に周辺相場を把握しておく
マンションを売却する際は、事前に周辺相場を把握しておくことがおすすめです。マンションに限らず、不動産には決められた価格がありません。売主と買主の交渉によって価格が決まるため、相場を知らなければ安く売ってしまうかもしれません。また相場がわからなければ、不動産会社の査定を鵜呑みにしてしまう可能性もあります。

一社だけの査定で決めない
マンション査定は、必ず複数社の査定を比較するようにしましょう。一口に不動産会社といっても得意な分野やエリアなどに違いがあり、査定額も同じではありません。前述の通り査定額は不動産会社が「これくらいなら売れるだろう」という価格なため、不動産会社のさじ加減によって金額も変わります。

売却を依頼してほしいためにあえて高めの査定額を出したり、保守的に低い査定額を出したりするケースもあるでしょう。一社だけの査定額を参考にしてしまうと、マンションの適切な価格を把握できません。また複数の不動産会社を比較することで、不動産会社の対応や得意な分野などもわかるでしょう。複数の査定を比較する中で信頼できる不動産会社を見つけることが、マンション売却成功の秘訣です。

ペットの臭いや汚れがひどい場合はクリーニングも検討する
室内の汚れや臭いは、査定額に影響します。そのため汚れや臭いがひどい場合は、クリーニングも検討するようにしましょう。査定だけでなくマンションを売却する際は、買主は室内を内覧します。内覧の際にどこまで見るかは買主にもよりますが、臭いや汚れなどがひどいとよい印象は受けないでしょう。

ペットやタバコの臭いなどは、人によっては苦手な方も多いです。また水回りの汚れなどは、気になる方も多いでしょう。クリーニングすれば綺麗になる程度の汚れであっても、見た目の印象が査定額に影響する場合もあります。あまりにも汚れがひどい場合は、事前にクリーニングをしておきましょう。

設備の故障や瑕疵をしっかり伝える
室内の設備などに故障や瑕疵がある場合は、事前にきちんと申告しておきましょう。故障や瑕疵を知らないままだと、正しい査定額が出ないだけでなく売却の際にトラブルにもなりかねません。故障や瑕疵を知っていながら隠して売却してしまうと、不動産の契約を解除される可能性もあります。

また設備の故障のような物理的な瑕疵だけでなく、周辺環境に関することや心理的な瑕疵などもあります。下記のような瑕疵に該当する場合も、きちんと伝えておくようにしましょう。

・物理的瑕疵 雨漏りや給排水管の故障、アスベスト使用の有無など
・心理的瑕疵 過去の事件や事故、自殺、火災などの事件歴など
・環境的瑕疵 幹線道路や電車の騒音、近隣の反社会的組織の事務所にある場合など
・法律的瑕疵 建ぺい率や容積率の違反、接道義務違反、違反建築など法律に関する問題

マンション査定後に確認しておくべきこと

マンションの査定が終わると、査定額が報告されます。査定額をもとに売却するかどうかを検討しますが、査定後には次の点を確認しておきましょう。

・査定結果の根拠を確認する
・ローン残債を返済できるか確認する
・値引きの可能性も考えて価格設定する

マンション査定結果の根拠を確認する
不動産会社の査定額をそのまま鵜呑みにするのではなく、査定額の根拠を確認するようにしましょう。とくに周辺相場と比べて価格に差がある場合は、なぜそうなったのか理由を聞いておきましょう。

相場よりも高いのであればどのような点がプラスになったのか、相場よりも低いのであればどのような点が悪かったのかを聞いておきます。理由を確認しておくことでマンションの強みと弱みがわかり、今後マンションの売却活動や買主との価格交渉にも役立つでしょう。

ローン残債を返済できるか確認する
住宅ローンの借入が残っている場合は、売却価格で残債を返済できるかどうかシミュレーションをしておきましょう。ローンの残債が残っているマンションを売却する際は、金融機関の抵当権を抹消する必要があります。抵当権が残ったままでは所有権移転ができないため、ローンを完済して抵当権を外さなければいけません。

査定額がそのまま売却価格になるわけではありませんが、おおよその売却額の目安にはなります。もし売却価格でローンの返済ができない場合は、自己資金を準備しておく必要があります。

値引きの可能性も考えて 価格設定をする
不動産の売却では値引き交渉が入ることが多く、希望通りの価格で売却できるとは限りません。そのため売り出し価格を設定する際は査定額をそのまま設定するのではなく、値引きする前提で高めに設定しておくとよいでしょう。

しかし相続が発生しマンションの売却資金で相続税の納税資金を確保するなど、急いで売却しなければならない場合もあるでしょう。このようなケースでは価格にこだわるよりも、早く売却することを優先する必要があります。特殊事情で売却を急ぐ場合は、不動産会社と相談しながら価格設定を行い、場合によっては買取を検討してもよいでしょう。

よくある質問

マンションの売却に関して、よくある質問を紹介します。

Q1.マンションに住みながら売却することは可能か?
Q2.売却資金で買い替え先を購入することは可能か?

Q1.マンションに住みながら売却することは可能か?
マンションの売却理由はそれぞれですが、中には離婚などの特殊事情で住みながら売却を検討している方もいるでしょう。マンションに住みながら売却することは可能でしょうか。

A1.居住中でも売却は可能
結論からいえば、マンションに住みながらでも売却することは可能です。しかし買主が内覧する際には、住んでいる状態で室内を見せる必要があります。また空室と違っていつでも内覧できるわけではないため、スケジュール調整などに時間がかかってしまう場合が多いです。

居住中に内覧対応する場合は、ある程度室内を清潔にしておく必要があります。また家具などあまり室内に物を置かないようにしましょう。室内に物が多いと部屋が狭く見えてしまい、内覧時の印象がよくありません。このように居住中のまま売却することは可能ですが、内覧対応に気を付ける必要があります。

Q2.売却資金で買い替え先を購入することは可能か?
住み替えでマンションを売却する場合もあるでしょう。マンションの売却資金を、買い替え先の物件の資金に充当することはできるでしょうか?

A.売却資金で購入も可能
マンションの売却資金で、買い替え先の物件を購入することは可能です。マンションを買い替える場合、買い先行と売り先行の2つの方法があります。買い先行は今のマンションを売却する前に、先に買い替え先のマンションを購入する方法です。買い先行では今のマンションを急いで売却する必要がないため、ゆっくりと買い替え先のマンションを探せます。しかしマンションの売却が決まるまでは、住宅ローンが二重になってしまう点がデメリットです。

売り先行は先にマンションを売って、その後に買い替え先の物件を購入する方法です。先に売却するため売却資金をそのまま買い替え先の支払いに使えますし、二重ローンになることもありません。しかし次の買い替え先が決まるまでは、賃貸などで仮の住まいを準備する必要があり、引っ越しの回数も多くなってしまいます。

空と海のタワーレジデンス「ザ・東京タワーズミッドタワー」。その中で一際目を引くツインタワー。グレーから白に移り変わる爽やかなグラデーションに大胆なカーブラインが入る洗練されたデザイン。胸躍る数々のシーンが鮮やかに展開する充実のパブリックスペース。昼も夜も、時間にとらわれることなく、TOKYOの鼓動に触れることができる。大人の自由を、欲張りを、どこまでも受けとめてくれる新しいプレミアムレジデンス。

アパートローンを利用する上で注意すべきリスクとしては、返済金利の上昇に関するポイントや借入額に関するポイントなどが挙げられます。

アパートローンの金利には固定金利と変動金利との2種類があり、変動金利で契約する場合には返済金利が上昇するリスクがあります。

2021年5月時点では、日本銀行が設定する長期金利が低いために、アパートローンの返済金利も低めに設定されています。しかし、今後の経済動向によって各金融機関が返済金利を引き上げる可能性も否定できません。

金利の上昇は不動産投資による収益の減少に直結します。なお、例えば3年固定金利特約付きなどの場合も要注意です。固定金利特約付きのアパートローンは、毎年の返済金利見直しがないメリットがある一方、定期的に返済金利の見直しが入ることになります。

アパートローンの返済は、アパート運用の家賃収入を返済の原資にします。アパートの購入には数千万円単位のお金がかかるので、アパートローンの借入額も大きくなることが多いものです。

マンション投資等と比較するとアパートローンの返済額は大きいため、空室の数が増えてしまうと、返済後の収益が残らない、返済しきれないなどのリスクが出てきます。

アパートローンを利用する時には、何部屋まで空室が出ても返済できるのか、想定の空室率は現実的かなど、事前のシミュレーションで見極めることが重要です。

アパートローンは、上手に活用すれば自己資金に対する利益の割合を上げられますが、借りすぎには要注意です。借入額が大きくなるほど毎月の返済額と返済金利も上がるため、毎月のキャッシュフローがローン返済に圧迫されます。

キャッシュフローとは資金の流れのことで、アパート経営では家賃収入から返済金や支出を引いて手元に残る資金がいくらなのかを見ることになります。不動産投資で物件を判断するためには、表面利回りだけではなくキャッシュフローも確認することが重要になります。

不動産投資の初心者は自己資金が少ないことも多く、ローンを利用できるのであれば、上限まで利用したいと考える人も少なくありません。しかし、リスクヘッジのためにも適切な借入額の見極めが重要です。

新築物件に投資する場合には特に、購入する物件の価格が周辺相場から乖離していないか調査することが重要になります。

周辺相場よりも高すぎる物件を購入すると、物件を売却するときには、購入価格よりも大幅に値下げして売却せざるを得ないこともあります。結果的に物件を売却してもローンを完済できないオーバーローン物件となる可能性も出てくるので要注意です。

アパートローンが返済不能の状態に陥ると、任意売却や競売などの検討が必要になります。任意売却や競売は、売却期限の定めがない物件売却と比較して売却価格が下がる傾向にあり、物件の売却後も返済は残るケースが少なくありません。

アパート経営を検討する際は、アパートをいずれ相続するのか、売却するのか、売却する場合は最低売却価格はいくらになるのか、出口戦略についても慎重に検討することが重要になります。

アパートローンのリスク対策で重要なポイントは、事前のシミュレーションと周辺エリアの価格調査です。許容できる返済額の見極めと妥当な価格での物件購入ができれば、アパートローンの返済リスクを抑制できます。

アパートローンの返済リスクを下げるためには、物件を購入する前に、念入りに収支をシミュレーションすることが重要です。

シミュレーションをする上では、物件の立地エリアが持つ特性と周辺の家賃相場とを確認し、高めの空室率を設定しても収益を出せるかがポイントになります。

空室率を見極めるために、投資エリアの人口推移や家賃相場の推移を確認しておくことも検討しましょう。人口が増加傾向にあり、家賃相場の下落が起きていないエリアでは、賃貸需要が豊富であることから高い入居率が見込めます。

なお、毎月返済額の目安を見極めるにあたっては、アパートの収益性が一時的に低下した場合や災害などの突発的トラブルに備えて、給与収入から返済するケースも考慮することも大切です。

購入物件を担保に入れることで、ローンで大きな資金を調達できるのは、不動産投資が持つ大きなメリットです。一方、自己資金を投下して借入額を下げることで、運用中の返済リスクの軽減につながる点も考慮しておきたいポイントと言えます。

2021年5月時点、アパートローンの利用にあたって物件価格の10%〜30%など自己資金を求められることも多いものです。自己資金が多くかかってしまうことは投資ハードルが高くなるデメリットともなりますが、返済リスクを低下させるメリットがあります。

自己資金の投下には、返済に関するリスクを軽減するほか、毎月のキャッシュフローを押し上げる効果もあります。収支のシミュレーションによって毎月の返済額を見極めるためには、理想とするキャッシュフローの金額を考えることも重要です。

周辺相場から見て妥当な価格の物件を購入すれば、アパートローンの返済不能に陥るリスクを軽減できます。不動産投資で物件を選ぶ場合は、複数の物件を比較して判断することが重要になります。

金融機関の融資審査ではアパートの収益性も考慮されますが、築浅アパートや立地条件の良いアパートは担保評価が高く、物件が持つ収益性以上の融資条件でアパートローンが借りられてしまうことがあります。アパートローンの融資が下りるからと言ってむやみに購入検討するのではなく、周辺相場を考慮した投資戦略が大切です。

再開発が進み著しく進化を遂げる街勝どきのランドマークタワーとして聳えるツインタワーマンション。
都営大江戸線勝どき駅より徒歩5分。
同線新宿駅を始め、銀座や渋谷等の主要都市へもアクセスしやすく利便性の高い立地です。
住環境は隅田川水域に囲まれた穏やかなロケーション。
自然を身近に感じられるベイサイドエリアは、都心のリゾートと呼ばれ幅広い層から人気を集めています。

■駐車場   3階~30階迄賃貸・244台(機械式)
月額27,500円~44,000円
31階~58階迄分譲の為異なる
■バイク置場 3階~30階迄賃貸・36台/月額1,100円~4,400円
31階~58階迄分譲の為異なる
■駐輪場   3階~30階迄賃貸・1,230台/1住戸1台無料
31階~58階迄分譲の為異なる
―――――――
■設 計   住友商事株式会社一級建築士事務所
■施 工   前田建設工業株式会社・大成建設株式会社
■管理形式  常駐管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   各部屋毎に異なる
■楽 器   各部屋毎に異なる
■保証会社  各部屋毎に異なる
―――――――
■間取り
□1R~3SLDK(46.38㎡~120.17㎡)
―――――――
■共用施設
□1階    スーパーマルエツ勝どき六丁目店/24時間営業
□1階    コンシェルジュデスク/コンシェルジュサービス
□2階    カンファレンスルーム/4タイプ
利用時間9時~22時/貸切3時間1,100円
□3階    ミーティングルーム1/8名迄
利用時間9時~22時/貸切3時間1,100円
□3階    ミーティングルーム2/12名迄
利用時間9時~22時/貸切3時間1,100円
□4階    シアタールーム/6名迄
利用時間9時~22時/貸切3時間1,100円
□4階    トランクルーム月額8,800円
□11階   キッズルーム/10名迄
利用時間9時~18時/貸切3時間迄・通常無料
□16階   ライブラリールーム/10名迄
利用時間9時~18時/通常無料
□21階   パーティールーム/10名迄
利用時間9時~22時/貸切3時間2,200円
□26階   ゲストルーム/レインボーブリッジビュー
利用時間15時~翌10時/1泊5,500円
□別棟    シーサイドアネックス
利用時間・平日7時~22時/1,100円
利用時間・土日祝10時~22時/1,100円
25M屋内プール・ジャグジー・フィットネスジム
ゴルフレンジ・ビューラウンジ・サウナ

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。
※カード決済希望時の決済手数料は、引越代還元金より相殺となります。

建物設備

  • エレベーター
  • オートロック
  • 宅配ボックス
  • TVドアホン
  • トランクルーム
  • ペット足洗い場
  • 駐車場
  • バイク置き場
  • 駐輪場
  • ラウンジ
  • キッズルーム
  • コンシェルジュ
  • フィットネス
  • プール
  • ゲストルーム
  • パーティールーム
  • スパ
  • ゴルフレンジ
  • シアタールーム
  • 各階ゴミ置き場
  • 内廊下
  • オール電化
  • 24時間管理
  • 防犯カメラ
  • BS
  • CS
  • CATV
  • インターネット
  • 楽器可
  • 制震構造

キャンペーン情報
礼金0仲介手数料無料フリーレントキャンペーン中です。
【①.賃料の最大5%/引越代を還元】
【②.引越し完了後→指定口座へ振込】
※キャンペーン内容はお部屋により異なります。

住 所 東京都中央区勝どき6-3-2
概 要 制震構造 地上58階 地下2階 RC造
駐車場 244台(機械式)
■フリーレントキャンペーン

■物件名フリガナ
ザトウキョウタワーズミッドタワー
THE TOKYO TOWERS MID TOWER

■近隣周辺施設情報
マルエツ勝どき6丁目店まで約0m
マルエツプチ晴海トリトン店まで約1160m
ファミリーマート勝どき5丁目店まで約120m
ローソン勝どき4丁目店まで約340m
豊海テニス場まで約370m
銀座deフットサル勝どきスタジアムまで約520m
ほっとプラザ晴海まで約610m
中央勝どき三郵便局まで約500m
豊海児童公園まで約270m
勝どき四丁目児童遊園まで約320m
豊海運動公園まで約370m
豊海区民館まで約250m
臨港消防署 月島消防出張所まで約470m
中央区立豊海幼稚園まで約240m
中央区立豊海小学校まで約530m
中央区立晴海中学校まで約1500m
まなびの森保育園勝どきまで約530m
聖路加国際病院まで約1830m
豊海診療所まで約300m
星合勝どきクリニックまで約380m
勝どき耳鼻科内科クリニックまで約370m

総戸数 1,461戸
築年月 2008年1月
物件名 ザ東京タワーズミッドタワー
所在地 東京都中央区勝どき6-3-2
賃料 178,000円 – 389,000円
管理費 10,000円 – 20,000円
間取り 1R – 3LDK
専有面積 46.38m2 – 91.38m2
最寄駅 都営大江戸線「勝どき駅」徒歩5分
東京メトロ有楽町線「月島駅」徒歩15分
都営大江戸線「月島駅」徒歩15分
東京メトロ日比谷線「築地駅」徒歩23分
都営大江戸線「汐留駅」徒歩25分
構造規模 制震構造 地上58階 地下2階 RC造
物件特徴 REIT系ブランドマンション、タワーマンション、デザイナーズ、分譲賃貸、ペット可